日めくりプロ野球 4月

【4月3日】2010年(平22) 変化球だったらゴメンナサイ!川本良平 迷わず40年ぶり弾

[ 2011年4月3日 06:00 ]

9回裏2死三塁、左越えに1号逆転サヨナラ2ラン本塁打を放ちデントナにクーラーボックスの氷をかけられるヤクルト川本
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 【ヤクルト13―12横浜】夕暮れ迫る神宮の杜に快音が響きわたった。打った瞬間それと分かる一撃は、左翼スタンドに吸い込まれるように着弾した。

 9回裏、2死三塁。1点を追うヤクルトの代打・川本良平捕手の逆転サヨナラ本塁打。横浜の守護神・山口俊投手の155キロのストレートを完璧に打ち返し、両軍合わせて38安打の乱打戦にケリをつけた。

 名物ビニール傘を天高く揺らすスワローズファンの大歓声をバックにベースを一周。ホームインするやいなや、氷水満タンのクーラーボックスを持って待ち構えていたデントナ内野手に、頭から水を浴びせられた背番号28はびしょ濡れ。それでも笑顔、笑顔。野球人生初の劇的な一発は、何をされても怒るはずなどなかった。

 開き直ったことで得た最高の結果だった。「変化球が来たらゴメンナサイという気持ちだった」と川本。2死だが、走者は三塁。「投手なら暴投やパスボールを怖がるはず。ストレート勝負でくる」。捕手としての読みがそこにはあった。

 初球、155キロを空振り。「振り遅れ。タイミングを合わせないと…」とバットの握りを気持ち短くした。3球目は逆に早くバットを出しすぎ、三塁線にファウル。追い込まれた。「コンパクトに振りぬくことだけ考えて」迷わず振り抜いた打球は、外野手がほとんど動けないほど文句なしの当たりとなった。

 ヤクルトの代打逆転サヨナラ本塁打は1970年(昭45)6月3日、ロッテの本拠地だった東京スタジアムでの広島5回戦で加藤俊夫捕手が外木場義郎投手から放ってから実に40年ぶり。奇しくも同じキャッチャーが打った時以来の快挙だった。

 横浜・尾花高夫監督が「分からん。俺には分からん」とぶ然としたように、4球連続直球を選択した横浜バッテリーもどうかとは思うが、それを逃さずとらえた川本が立派。ヤクルト・高田繁監督がベンチに残っていたベテランの宮本慎也内野手ではなく、あえて真っすぐに強いパンチ力のある捕手を起用した采配にも応えた。

 “ポスト古田”の呼び声高く05年に入団した川本。07年7月7日の巨人11回戦(神宮)で1軍デビューし、3打席目にプロ初安打となる本塁打を放つなど、年々期待は膨らんだが、ケガにも泣き、レギュラーの座は遠く、09年からはFA移籍してきた相川亮二捕手の後塵を拝した。

 このサヨナラ弾で一気に上昇気流に乗りたかったところだが、2010年の川本は42試合出場、打率1割9分に終わった。本塁打もこの後10月に1本だけだった。ここ一番の勝負強さはあるものの、安定性がいま一つ。7年目の2011年は20代最後のシーズン。飛躍の年にしたいところだ。

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