日めくりプロ野球 4月

【4月9日】1999年(平11) オリジナル弁当発売完売記念 黒木知宏、自己タイ記録で1勝目

[ 2010年4月1日 06:00 ]

弁当発売記念で勝ち投手になったロツテ・黒木
Photo By スポニチ

 【ロッテ3―1日本ハム】同じ8回を投げても、1週間前とは雲泥の差だった。ロッテの5年目右腕、黒木知宏投手が日本ハム・岩本勉投手とのエース対決に勝ち、99年初勝利。本拠地でのシーズン第1戦での白星で、初の開幕投手を務めたオリックス戦での屈辱を、ブライアン・ウォーレン投手のリリーフをあおぎながらも見事晴らした。

 自己最多タイ、毎回の12奪三振で失点は5回に金子誠二塁手のタイムリーによる1点のみに抑えた。風速10メートル以上の千葉マリンスタジアム名物の強風を味方に付け、よく曲がるカーブを主体にした投球でファイターズ打線を翻弄した。
 「メチャクチャうれしいです。一生懸命ファンの方が応援してくれるので、一生懸命投げました。前回はご迷惑をかけてしまいましたが、1週間遅れで勝てました」。ファンに向かってのメッセージに、ぎっしり満員のライトスタンドはさらにボルテージが上がった。いつまでも終わらない、黒木への賞賛のかけ声は、スタンドに向かって手を振る背番号54の人気を物語るものだった。
 その人気のバロメーターの1つが球団のオリジナルである、選手の名前を付けた弁当だった。この日、ロッテは「ジョニー黒木弁当」を新発売。用意した300食はあっという間に売れてしまい、黒木と千葉マリンでの99年初勝利に花を添えた。
 過去にも「イラブ弁当」や「フランコフルト弁当」「ダブルストッパー弁当」(河本育之、成本年秀両投手)の企画で弁当が店頭に並んだが、限定100食程度。黒木のそれは3倍の多さで用意された。営業サイド一押しの弁当だった。
 黒木の出身地、宮崎産の和牛を使ったステーキに黒木の愛称「ジョニー」にちなんで、「ジョニー・ウォーカー・黒」をイメージしたソースをかけたものをメーンにしたボリュームたっぷりの弁当は1200円。試合前に“試食”を頼まれた黒木だったが、さすがに「登板直前にステーキはちょっと…」ということで、同僚の薮田安彦投手が代わって試食。「うまい。このソースがかかっていたらいくらでもご飯が食べられる」と太鼓判を押した。
 99年は弁当も売れたし、黒木の白星も着実に増えていった。腰を痛めて前年オフに手術。キャンプ初のブルペンでは40球にも満たない球数しか投げられなかった。それでも開幕に照準を合わせて、2試合目の登板で白星。結局14勝、防御率2・50を記録。いずれもタイトルには届かなかったが、年俸は球団史上日本人最高、上がり幅も最高を記録。8000万円アップの年俸1億8000万円で契約更改を終えた。
 「黒木君の査定の中には、成績のほかにファンの魂を揺さぶれるかどうかの査定も含まれている」と石井球団代表。ファンの魂を揺さぶり、弁当販売で球団経営にも“協力”した黒木の人気は引退した06年まで本当に凄かった。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る