日めくりプロ野球 4月

【4月6日】2008年(平20) 巨人史上初!セ最年少記録 19歳3カ月坂本勇人、プロ1号満塁弾

[ 2010年4月1日 06:00 ]

ヒーローインタビューで笑顔の巨人の3選手。木佐貫(左)、高橋由(右)を従えるように笑顔がはじける坂本は堂々真ん中に
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 【巨人9―1阪神】5回裏、無死満塁。カウント2―1。追い込まれていても19歳3カ月で巨人のスタメンに名を連ねる青年はビビったりはしない。坂本勇人遊撃手の頭の中にあったのは、原辰徳監督の言葉だけだった。「オレは消極的なミスをしたら怒る」。
 阪神・阿部健太投手の真ん中低めストレート。すくい上げるように強振した打球は左翼スタンドへグングン伸びた。バットを放り投げ、声には出さずとも胸の内で叫んだ。「やった!打っちゃったよ!」。

 東京ドームが自分の打球だけに酔いしれ、そしてゆっくりベースを回る背番号61だけのために拍手喝采を送っていた。チームメイトに手荒い祝福を受けているうちは気がつかなかったが、ベンチいつまでも興奮状態のスタンドを目にすると鳥肌が立つのを覚えた。
 坂本にとってこれがプロ入り初の本塁打だった。しかもグランドスラムというスゴいおまけ付き。巨人でプロ初アーチが満塁弾だったのは7人目。あの“満塁男”駒田徳広内野手が1983年(昭58)4月10日、後楽園での大洋2回戦で打って以来25年ぶりの快挙だった。
 記録はまだまだある。これまで巨人の満塁本塁打の最年少記録は、57年(昭32)に義原武敏投手が20歳2カ月で放ったのが最年少記録。高校卒で巨人入りした、王貞治一塁手にしても初の満塁弾は、通算21本目にあたる60年(昭35)9月6日の広島19回戦で20歳3カ月、松井秀喜外野手は通算42本目、95年6月23日ヤクルト11回戦で21歳0カ月。坂本は70年以上の歴史を誇る巨人軍の中で、初の10代選手によるメモリアルアーチだった。
 リーグ全体を見渡しても最年少記録だった。10代でのグランドスラムは64年(昭39)3月22日、19歳10カ月の国鉄・高山忠克外野手が巨人3回戦(後楽園)で、69年(昭44)9月3日、19歳9カ月で中日・江島巧外野手が広島20回戦(中日)で打った例があるものの、坂本はそれよりも若い最年少記録を打ち立てた。
 15安打9得点を奪い、07年8月8日以来続いていた、東京ドームでの対阪神戦の連敗を6で止めた巨人。宿敵撃破の大勝の日に坂本は初のヒーローインタビューを受けた。「最高で~す!」と自主トレを一緒に行った、阿部慎之助捕手の得意のフレーズを連発。何を聞かれても笑顔、笑顔、笑顔で報道陣に囲まれ続けた。
 この日は、高橋由伸右翼手の通算250号本塁打、木佐貫洋投手が左わき腹痛から復活しての08年初勝利とお立ち台には3人が並んだ。それでも堂々真ん中に立って、一番笑っていたのが坂本だった。最初からこれぐらい物怖じしない男だからこそ、若くして巨人の主力として活躍できるのである。

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