日めくりプロ野球 4月

【4月4日】2000年(平12) 精密機械・小宮山悟 セ界に登場 技巧派逆手に11K

[ 2010年4月1日 06:00 ]

横浜移籍初登板で勝ち投手になった小宮山
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 【横浜4―1広島】横浜・谷繁元信捕手は断言した。「これで打たれたらそれはキャッチャーのせい」。そうまで女房役に言わせたのは、ロッテから横浜に活躍の場を移した小宮山悟投手。かつて前身の大洋でエースだった、200勝投手平松政次が付けていた背番号27を背負い広島市民球場での広島1回戦にセ・リーグ公式戦初登板。8回1失点で1勝目を挙げた。

 球速はないが変化球を中心に抜群の制球力がある。これがロッテ時代の小宮山のオーソドックスな評価だった。ならばと、小宮山は初登板の前に谷繁と話し合った。「直球で押すのも一つの手かもしれない」。
 初回からその場面は訪れた。先頭の野村謙二郎遊撃手に右前打を浴び、2死に迎えたのは4番前田智徳左翼手。ストレートを右翼へホームラン性の大ファウルにされた直後のボールは、外角低めの真っ直ぐ。変化球狙いだった前田は手を出したものの空振り。勝負師のウラをかいて三振に仕留めた。
 これでノッた。前田の三振の後、9番黒田博樹投手まで6者連続三振。変化球のイメージが根強い広島打線は真っ直ぐでグイグイ押してくる“軟投派”右腕に戸惑った。
 ストレートもあるというイメージを1巡目で植え付けておいて、2巡目からは本来の小宮山スタイルのスライダー、フォークなども多く投げた。安打は打たれても要所を締めることができたのは、やはり制球力のよさ。投手に辛口な権藤博監督をして「素晴らしい。それに尽きる」とうならせた。
 結局8回を7安打11奪三振で四死球はゼロ。1失点でセ・リーグ初勝利を記録した。「開幕3連勝できていたので、自分の初勝利というより、チームの勢いを止めてはいけないというその一心だった」と11年目のベテラン。これで大洋時代の1979年(昭54)にマークして以来、21年ぶりの開幕4連勝。98年の日本一から2年ぶりのV奪回を目指すベイスターズは最高の開幕ダッシュとなった。
 頭はクールだったが、内心は燃えていた。10年目の節目の年、メジャー移籍を考えていた小宮山にロッテは突然の戦力外通告。メジャー行きの道もあったが、家族のことを考え「日本で優勝争いができるチーム」ということで選んだのが、38年ぶりの日本一から黄金時代を築くべく、2年ぶり優勝を狙っていた横浜だった。
 「(ロッテを)見返してやる」という気持ちで投げた小宮山。この年11勝、翌01年は開幕投手をつとめ自己最多の12勝をマークも、メジャーへの思いが捨て難く、横浜との2年契約が終わり、海の向こうへと渡った。
 思えば小宮山が抜けた02年のシーズンから8年間で6度最下位という苦しい暗黒の時代を過ごしている。今年は小宮山がいたロッテからトレードで清水直行投手が入団した。背番号17は大洋初優勝に導いた秋山登投手が付けていた番号。その後80年代を代表するストッパーの1人、斉藤明雄投手へと受け継がれた。球団伝統のエースナンバーを伝授された右腕が小宮山同様貢献できるかどうか。右腕に託された期待は大きい。

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