日めくりプロ野球 4月

【日めくりプロ野球】ノムさん、プロ72打席目でようやく

[ 2009年4月28日 07:15 ]

1軍デビュー当時の野村。57年にレギュラー捕手となってからは変化球打ちで苦労したが、持ち前の観察眼でこれを克服。65年に戦後初の三冠王に輝いた
Photo By スポニチ

【56年4月28日 毎日7-4南海】20歳の捕手は簡単に2球で追い込まれた。走者は一、二塁。得点差は2点。一発出れば逆転だが、まだ1軍でスタメンに起用され始めたばかりの南海・野村克也捕手には、そんなことなど思いもつかなかった。
 「とにかく次につなげよう」その一心だった。余裕のない打席の野村に、既に1軍でシーズン3勝をマークしていた同級生の中川隆投手は3球勝負に出た。決め球はフォークボール。セットポジションから左足が上がった。
 しかし、中川は「フォークの握りそこない」を野村に投じてしまった。力のない半速球はド真ん中にきた。無我夢中で強振した打球は、後楽園球場の左中間中段へあっと言う間に飛び込んだ。逆転3ラン本塁打。もっとゆっくり走ればいいものを、野村は全力疾走のごとく、あっという間にダイヤモンドを一周した。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る