日めくりプロ野球 4月

【4月25日】2007年(平19) マー君の死球が発端 ケンカ売られるわ、アホの坂田にムカつくわ

[ 2009年4月1日 06:00 ]

乱闘騒ぎとなり怒りが収まらない楽天・山崎(中央)。本塁打を放ったものの「そんなもん知らんわ」と試合後も大荒れだった
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 【オリックス7-3楽天】初球だった。オリックスのランス・カーター投手のストレートが楽天・山崎武司内野手の左肩に直撃した。血相を変えた山崎がカーターに向かって行こうとすると、日高剛捕手が止めに入った。
 「なんや、オマエ!」。激高した山崎が日高のマスクを払い飛ばした。間髪入れず両軍ベンチから選手が飛び出し、ホームベース付近で互いに小競り合いが始まった。殴る蹴る、とまではいかなかったが、にらみ合いが続き、渦中の山崎はオリックスのタフィー・ローズ外野手と言い合いをしていた。

 「(死球を当てずに)正々堂々と来いや!」という山崎に、「こっちは2度当てられたんだ。アホか!」と流暢な日本語で応戦したローズは、その勢いで山崎を小突いた。
 それを見ていたのが永見武司球審。ローズに暴力行為があったとして、退場を宣告した。すでに退場の日本記録9回の持ち主のローズは“大台”の10回目となり、自己記録を更新。オリックス移籍後は初めての退場となった。山崎も日高に暴力をふるっていたはずだが「見ていなかった」(永見球審)ためおとがめなし。試合後、山崎は興奮しきった口調で報道陣に言った。「ローズにケンカ売るならいつでも買ってやるって伝えとけ!」。
 9回の騒動の発端は実は初回にあった。楽天先発のゴールデンルーキー、田中将大投手は2死後、3番ラロッカ三塁手にプロ初の死球を与えた。左太ももに当てられ、殴りかからんばかりにマウンドに詰め寄るラロッカに、18歳の少年はすぐ帽子を取り謝り、事なきを得たが、これがまずかった。
 2回、楽天の7番ケビン・ウイット右翼手にオリックスの先発、吉井理人投手が頭に当たりそうな“ビーンボール”を投げた。5回には山崎に9号ソロを打たれた直後、高須洋介二塁手の体に直球をぶつけた。徐々に不穏な空気が京セラドームに充満してくる中、7回に本塁打を放っていたラロッカに田中の後に登板した松崎伸吾投手がこの日2つ目のデッドボール…。オリックスのコリンズ監督は言った。「(死球)が故意かどうかは関係ない」。大リーグ流の理由に関係なく、当てたら当て返せという理屈。同じく本塁打を打っていた山崎への死球はこの時決まったも同然だった。
 「田中も松崎も投球が未熟なだけ。コントロールがいい吉井のは明らかに狙った。山崎に当てたカーターはみえみえや」と楽天・野村克也監督。それが証拠にマー君は死球後から明らかにリズムを崩し、毎回安打を許し、4回にはこらえきれずに3点を失った。結局4回3分の1、被安打10失点5。先発5試合目にして初めて完全にKOされ、初黒星を喫した。
 兵庫出身のマー君にとっては凱旋登板。家族ら関係者多数を招待したが、初黒星に「悪いなりに抑えないと…。死球、影響ないです…」とうつむいたままだった。
 この日はオリックスと業務提携している吉本興業による「よしもとDAY」の冠がついたナイター。オリックスが得点するたびスコアボードのスクリーンに“アホの坂田”こと坂田利夫らが登場し「ありがとさ~ん」とおどけた映像が流れた。関西らしい演出だが、楽天ナインは点を奪われるたびにムッとしていた。
 「野球は漫才じゃねぇ。ふざけんな。後味の悪い試合や」とぶ然として球場を後にした野村監督。楽天にとって踏んだり蹴ったり、後味の悪い試合だった。

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