日めくりプロ野球 4月

【4月12日】2008年(平20) アニキが弟に「キモイ」!?球界初の1球団同日メモリアル安打

[ 2009年4月1日 06:00 ]

横浜戦で寺原(左)から通算2000本安打を放った金本。目指していた400本塁打も08年に達成。次の数字的な目標は2500本安打に500本塁打だ
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 【阪神6-3横浜】王手をかけてから5試合19打席目。バットを折りながらも打球は右翼線ではねた。 阪神・金本知憲左翼手は横浜スタジアムでの横浜5回戦の7回、寺原隼人投手から右前適時打を放ち、通算2000本安打を達成。敵地ながら半分以上が黄色いメガホンを持つファンで埋まったスタンドから大拍手と大歓声が一塁ベース上の背番号6に集まった。
 試合中ではあったが、阪神ベンチから同じ東北福祉大出身で同年齢の矢野輝弘捕手と弟分の新井貴浩一塁手が記念プレートを、「名球会」の先輩にあたる横浜・石井琢朗遊撃手が花束を渡して祝福。金本はヘルメットを取り、両軍ベンチとスタンドへ花束を高々と上げあいさつ。横浜ファンからもスタンディングオベーションで迎えられた。

 これまで王手をかけてから大台達成まで一番時間がかかったのは、江藤慎一(中日など)、柴田勲(巨人)両選手の18打席。金本は新記録となってしまったが「そんなに苦しんでいたわけじゃない」とまるで他人事のよう。それより「とにかく1点が欲しい場面だった。(2000本を打った瞬間)最初に思ったのは、1点入って良かったということだった」。40歳。大記録とはいえ、大はしゃぎするのが恥ずかしい気持ちが半分あったのだろう。常にこだわっている打点を挙げたことを一番気にかけているような口ぶりで、密かに“偉業”を自分で称えていた。
 アニキの打点へのこだわりを知っていたからこそ、弟分は1本のシングルヒットで生還できる三塁まで激走した。金本のメモリアル安打の直前、3番新井は左中間を破る勝ち越しとなる一撃を放った。二塁は楽々セーフだが、新井は三塁めがけて走った。最高の舞台を自らのバットでお膳立したわけだが、新井自身にとってもこの日は記念すべき1日だった。
 初回、第1打席で寺原から右翼線適時二塁打を放った。これで新井は通算1000本安打を達成した。広島時代から金本を慕う新井にとって、2人の“思い出”を作るためにも、まずは弟分が先に記念の1本を打ち、アニキの1本を待った。
 チームも10勝リーグ1番乗りというオマケまでついて、“兄弟”は阪神で初めてそろってお立ち台に立った。通算1000本安打以上の区切りの記録が同じ日に達成されたのは過去6度あったが、同一球団で1試合に2000本、1000本のヒットが出たのはプロ野球史上初のケースだった。
 「新井とダブルで記録達成?なんかキモイっすね」。アニキの言葉はめちゃめちゃキビしい。それでもそのキビしさがたまらないと言った表情の弟分は嬉々として答えた。「忘れられない1日になりました。運命的なものを感じます」。
 自称「外れ4位の男」という金本はドラフト4位、新井も駒沢大から6位で入団。ともに血のにじむような努力で球界屈指のスラッガーにのぼりつめた。新井は「1本々々ヒットを積み重ねていきたい」と、2000本に向かって走り出している。「次は2500本」という金本。次のメモリアル安打も“運命的”に同じ試合で生み出されるのだろうか。確率は限りなく低くいが、この“兄弟”どこまでも深いつながりで結ばれていそう。乞うご期待。

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