日めくりプロ野球 4月

【4月17日】2004年(平16) 「打撃は気合!」清原の忠告で広島・栗原、代打サヨナラ弾

[ 2008年4月13日 06:00 ]

球団史上初の巨人戦代打サヨナラ本塁打を放った栗原はカープナインに手荒い祝福をされ、生還後仰向けに転倒
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 【広島5-4巨人】追い込まれてもフルスイングし続けた結果が、広島球団史上巨人戦で初の代打サヨナラ本塁打となった。
 広島市民球場での広島-巨人2回戦、4-4の同点で延長戦の気配が色濃くなる中、二死無走者から入団4年目の栗原健太内野手が久保裕也投手のフォークをとらえ左翼中段へ。右手を何度も掲げながらホームを踏むと、カープナインにもみくちゃにされ、最後は地面にひっくり返される手荒い祝福を受けた。
 「プラス思考でホームランしか狙ってなかった」と興奮して話す栗原。頭の中では憧れの人の言葉が何度もリフレインしていた。
 3月8日、倉敷マスカットスタジアムでの巨人とのオープン戦。練習中のことだった。栗原は子どもの頃から憧れていた、巨人・清原和博一塁手と話す機会を得た。巨人でコーチ歴のある内田順三チーフ打撃コーチが間に立ってくれて実現した。
 直立不動の栗原に清原は言った。「バットを見せてみい」。差し出すと「おもちゃみたいやなあ」と苦笑された。すると、清原は自分の使っているバットを取り出し、ひと言真剣な表情で説いた。「ええか、バッティングは気合や」。栗原はこの言葉を胸に刻んだ。
 日大山形高時代は1年秋から4番に座り、通算39本塁打。30年以上のキャリアを持つ渋谷良弥監督(現青森山田高監督)が「打つことに関しては私の教え子の中で史上最高」と絶賛した大砲はヤクルトとの激しい争奪戦の末、広島が99年ドラフト3位指名で獲得。13本塁打、53打点で03年はウエスタンリーグ2冠王に輝き、山本浩二監督が期待をかけた将来の4番候補だった。
 しかし、オープン戦では打率2割と低迷を続けた。そのスランプを清原から「気合」を伝授されたことでうそのように脱した。2回に林昌範投手から左前適時打を放つと、3回には林からレフトへ満塁アーチを放った。
 試合後、内田コーチから1本のバットが手渡された。バットには「G5」の文字。背番号5の清原が「栗原がホームラン打ったらプレゼントしてやってください」と内田コーチに託していたものだった。師匠から弟子として認められた証でもあった。
 「G5」のバットは栗原の宝物になった。自分の部屋に置き、時々握っては「バッティングは気合」と何度も言い聞かせた。このサヨナラ本塁打で“開眼”した栗原は04年に90試合で11本塁打と飛躍のきっかけをつかみ、清原と同じ背番号5になった06年は初の100試合以上出場で20本塁打69打点をマーク。広島の中心打者に成長した。
 新井貴浩内野手がFAで阪神に移り、栗原が4番に座った08年。下馬評の低い広島だが、清原のごとく右にも大きなのが打てる栗原のバットにチームの浮沈がかかっている。将来は「ポスティングで0円でもメジャーに行きたい」という夢がある。カープファンにとっては「栗原、お前も出て行くのか」と言いたくなるかもしれないが、高いバッティング技術は海の向こうでも通用する可能性は十分ある。

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