日めくりプロ野球 3月

【3月28日】2003年(平15) 横浜 8年ぶりのOB指揮官山下大輔で開幕勝利 しかし…

[ 2010年3月1日 06:00 ]

 【横浜4―2阪神】阪神の代打・野口寿浩捕手のバットが空を切った瞬間、3時間3分の試合時間中、一度も座ることがなかった横浜・山下大輔監督は両腕で小さくガッツポーズをつくった。
 38年ぶりの日本一からわずか4年で優勝した巨人に35・5ゲーム差をつけられ最下位に転落した横浜。8年ぶりに前身の大洋出身の指揮官によるチーム再建の第一歩は地元での勝利という最高のスタートとなった。

 珍し監督自らくヒーローインタビューに応じた。試合前からの盛り上がり、ホエールズ時代の古い写真を掲げながら応援するファンにひと言お礼が言いたかったからだ。「ファンの皆さん、ありがとうございます。きょうは選手みんなに“はなまる”をあげたいです。投打とも言うことなし。本当に嬉しいです」。前評判が高い星野仙一監督率いる阪神に粘り勝ちし、最下位脱出の手応えを感じた一戦だった。
 先発は前年11勝を挙げ、ヤクルト・石川雅規投手と新人王争いをした吉見祐治投手。3年目、初の開幕投手は最速144キロのストレートを武器にチェンジアップとスクリューボールを織り交ぜ、7回4安打2失点。3回から6回まで無安打投球、7回に1点差に迫られなお一打同点の場面に阪神で一番うるさい赤星憲広中堅手を二ゴロに仕留めた。「ここで追いつかれたら意味がない」。129球のストレートは渾身の1球だった。打っても2回に先制の適時打。阪神のエース、同じ左腕の井川慶投手に投げ勝ったことに「大きい1勝。プラスになります」と胸を張った。
 若き左腕が好投に新4番も応えた。韓国球界から横浜入りしたタイロン・ウッズ一塁手は3回に結果的には決勝点となる左前適時打を放ち、1点差に詰め寄られた8回には左中間へ特大の1号ソロ本塁打でチームの開幕戦勝利に大きく貢献した。
 「打ったのは真ん中高めのスライダー。試合の流れの中で貴重な1発になったことは確かだね」と納得のコメント。入団時はメジャーリーガーのスティーブ・コックス一塁手の“保険”扱いで、ファームスタートが暗黙の了解だったが、そのコックスが膝を痛めて長期戦線離脱が決まると代役の4番に座ったが、これが大当たりした。
 最高のスタートを切った山下丸だったが、それもこの一戦だけだった。翌29日の阪神戦に逆転負けをすると、対阪神戦は7月29日の18回戦(甲子園)までなんと16連敗。これに象徴されるようにシーズン中、9連敗、10連敗と大型連敗を繰り返した。
 5月28日の阪神11回戦(甲子園)で9―10と打ち負けると、早くも借金20。開幕48試合で早くも自力優勝が消滅。“早過ぎる終戦”に山下監督は「プロの球団としては屈辱。不本意ではあるが数字は正直」と厳しい現実を認めざるを得なかった。
 前年の86敗を上回る94敗で2年連続最下位。93年に横浜ベイスターズに改称して以来、初の連続最下位だった。翌04年は一時首位に立ったこともあったが、最終戦で広島に敗れ3年連続6位。1954年(昭29)から59年の6年連続最下位のワースト記録に次ぐ屈辱だった。
 02年に最下位になって以来、09年までの8シーズンで6度6位の横浜。Aクラスは05年の3位のみ。2010年は投手コーチとしてダイエーや巨人で手腕を発揮した尾花高夫新監督が就任したが、開幕も連敗スタート。再生の年になるのかどうか、戦いぶりを見守りたい。
 

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