日めくりプロ野球 3月

【3月1日】2008年(平20) 清原も松井秀もできなかった 中田翔、初戦初打席本塁打!

[ 2010年3月1日 06:00 ]

オープン戦1号本塁打を放った瞬間の中田。09年は1軍で、22試合出場し、2割7分8厘で打点は1。10年は待望の一発が出るか…
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 【横浜7-3日本ハム】5球目のスライダーが高めに浮いた。“来た!”と思った瞬間、すでにバットは反応し、真芯でボールをとらえていた。
 ライナー性の打球は、あっという間にフェンスを越えて、左翼席後部の防球ネットの上部に直撃する推定飛距離130メートルの大ホームラン。ゴールデンルーキーの呼び声高い、日本ハム・中田翔内野手が「7番・一塁」でスタメン出場。横浜・高崎健太郎投手から放ったオープン戦初戦、初打席での一撃だった。

 「追い込まれていたが、直球を待ちながら変化球にうまく対応できた。弾道といい、当たりといい、自分の中では文句なし。上から叩きつけてうまく打てた」と白い歯を見せた中田。確かに124キロの甘いスライダーではあったが、打席で直球待ちの高校出の新人が変化球へ切り替わってもそれについていけるところが非凡。悠々とベースを回る姿に、セ・リーグ本塁打キングの横浜・村田修一三塁手は「中田君のスイングは全く問題がない。リーグは違うが、彼の一発を見るのは、とても楽しみだね」と活躍を予感した。
 オープン戦とはいえ、初戦の初打席本塁打はなかなかいない。それ以前に高校野球から来たばかりの弱冠18歳の少年が特大アーチを放つこと自体ただ事ではなかった。清原和博(西武)にしても松井秀喜外野手(巨人)にしても、初戦どころか新人の時のオープン戦では本塁打ゼロ。ファイターズでは前身の東映時代を含めて、あの3000本安打のヒットメーカー、張本勲外野手が入団した1959年(昭34)以来、実に49年ぶり。「素質、パワーもある。スタンスが広すぎるのを治せば、大変な打者になる」と張本氏も中田のスケールの大きさに期待を寄せた。
 初本塁打を打ったバットはダルビッシュ有投手のものだった。試合前、投手用の軽いバットを使ってみようということになり、ダルビッシュが持っている数本のうち1本を借りたところフリー打撃で40スイング中8本がスタンドイン。気分を良くした中田は、スラッガー特有のやや重いバットを使わず、いきなり好結果を出した。
 ただ、続かないのがまだ大物ルーキーの粗削りなところだった。2打席目は一発を浴びせた高崎の気合いの投球で三振に仕留められると、7回の3打席目も小山田保裕投手の決め球スライダーで料理され、これも三振。変化球がきっちり決まると、ファウルで逃げたりするなどの芸当がまだできず、やられるがままだった。
 あれから2年。3年目の中田はようやく1軍でのレギュラーを狙える位置まで来た。2月中のオープン戦での成績は2試合でなんと7打数5安打。豪快の一発こそないが、厳しいボールを見極め、自分のペースに持ち込んでしぶとくヒットを打っている。
 私生活や野球に取り組む態度を何かと指摘され続けたが、ここに来て「中田は変わった」という評価がされつつある。1軍での本塁打はまだゼロ。オープン戦本塁打なしで始まった清原は2年目終了時に60本、松井秀は31本の記録を残していた。同じく甲子園を沸かせた男は、偉大な先輩にこれから追いつき追い越そうとしている。

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