日めくりプロ野球 12月

【12月16日】2004年(平16) 番長・清原和博、カネやんに誓う「パシリとして一からやります」

[ 2008年12月1日 06:00 ]

名球会で“パシリ”宣言をした清原。王副会長にビールを注ぐ。中央は金田会長
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 通算400勝左腕・金田正一投手、世界最多868本塁打の王貞治一塁手、「神様・仏様・稲尾様」の鉄腕稲尾和久投手らが目の前にいる。昭和生まれで200勝あるいは250セーブ、2000本安打達成者に入会資格がある「名球会」のハワイでの総会に1人の新会員が加入した。
 04年6月4日のヤクルト9回戦(神宮)でジェイソン・ベバリン投手から通算2000本安打を記録した、巨人・清原和博内野手は茶髪に金メッシュの髪型、上下白のスーツで登場。居並ぶ偉大な先輩諸氏を前にあいさつに立った。

 「チームでは向かうところ敵なしで、偉そうに歩いているんですが、ここでは僕はまだはなたれ小僧です。パシリとして一からやり直させていただきます!」。
 球界の“番長”と呼ばれる男の思わぬ“パシリ”宣言。カネやんをはじめ、先輩会員は大笑い。清原と同じく04年会員となった、巨人・工藤公康、横浜・佐々木主浩、ヤクルト・高津臣吾の3投手は、いつもの清原と違うスピーチにあっけにとられていた。
 「高校1年生に戻った気分やね。子どもの頃に憧れた選手やスターばかりいらっしゃる。この輪の中に入れてもらえたことを誇りに思います」と清原。ケガと戦い、レギュラーの保証がなくなった中で達成した2000本安打。名球会入りは清原の言葉通り「誇り」であり、自分が歩んできた道が間違いでなかったことを証明する勲章だった。来季の巨人残留もすっきりとは決まらなかったが、そんなことは忘れたような笑顔で先輩会員にビールを注いで回る“パシリ”の清原は本当に嬉しそうだった。
 “パシリ”宣言に一番ウケていたのは、金田会長だった。「清原は最高に面白いやっちゃなぁ」と繰り返し、巨人・堀内恒夫監督との確執が伝えられることにも「ワシも監督とようケンカしたけど、それぐらいでいいのよ」とすっかり清原シンパに。ホテルで会うなり、茶髪メッシュの髪型を「なんだ、その頭は!」と詰問したが、清原が12月9日に新潟中越地震の被災地を訪問する前に、美容師に「せめて頭だけでも明るくして」と頼んだら、この髪型になったことを説明。それを聞いた金田会長は「優しい男や。見た目で判断したワシが悪かった」と清原の肩にそっと手を乗せた。
 髪型といい、スピーチといい、清原に好感を抱いた金田会長。「若い人もいっぱい入ってきた。もう清原たちの時代。名球会も新しい空気を入れる必要がある。われわれは相談役だよ」と清原を次期リーダー格として認めた。
 08年8月4日、中日・山本昌投手が巨人16回戦(ナゴヤドーム)で通算200勝を達成し、54人目の名球会会員となった。08年現在、一番名球会に近い位置にいるのは、投手なら159勝の西武・西口文也、打者なら1798安打のロッテ・堀幸一内野手。堀が09年に202本のヒットを放てば金田会長からお金じゃ買えない名誉のブレザーが贈られるが、08年は19安打。かなり難しいと言わざるを得ない。来季は“パシリ”会員の入会はどうもなさそうである。

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