日めくりプロ野球 10月

【10月13日】2008年(平20) CS第2S直前 西武に内紛!?ボカチカ 放送禁止用語連発

[ 2010年10月1日 06:00 ]

 突然、一塁側の西武ベンチから英語と日本語でののしり合う怒声が聞こえてきた。
 英語で声を荒げたのは、助っ人ヒラム・ボカチカ外野手。「ベンチからうるさく言ってきて集中できない。F○○K!BI○CH!」。
 日本語で応酬したのは、大久保博元打撃コーチ。「何だと、コラッ!先輩に向かって汚い言葉使いやがって!ちょっとウラに来い!」。

 ボカチカが「ノー!ノー!」と拒絶。「何だ、この野郎!」と大久保コーチ。ついにつかみ合いにならんばかりの状況になった2人。慌てて仲裁に入ったのは、2人のボスにあたる渡辺久信監督だった。
 宮崎・南郷スタジアム。クライマックスシリーズ(CS)第2ステージを4日後に控え、試合感覚を鈍らせないためにフェニックスリーグに参加していた西武1軍メンバーの一部は独立リーグの四国・九州ILの選抜チームと対戦。4回1死三塁でボカチカが一塁へのファウルフライに倒れた直後、助っ人外国人はベンチで放送禁止用語を連発して大久保コーチにぶつけた。
 大久保コーチいわく「“犠牲フライを打て”という指示をベンチの端にいた通訳に大声で言っただけ。そうしたら放送禁止用語を言ってきやがった」。当のボカチカは次の打席で、大久保コーチにあてつけるように3球三振をして、「Nothing(何もない)」とだけ言い残し、試合終了を待たずに球場を後にした。
 2人の間に何があったかははっきりしなかったが、ベンチにいた複数の選手からは「デーブさんがボカに冗談を言ってヤジっていた。それで気を悪くしたんだ」という証言もあり、真相は分からぬまま。渡辺監督は「互いに言葉の行き違いみたいなものがあったのでは」と、大切な決戦を前に、内紛を鎮めようと事を大きくするつもりはなく、ボカチカにも罰金などの制裁は加えない方針をすぐに示した。
 プエルトリコ出身、マリナーズなど6球団に在籍してライオンズ入りしたボカチカは明るい選手だったが、入団時から大久保コーチと相性がいいとは言えなかった。
 大久保コーチが提唱し、西武のバッティングを飛躍的に向上させたといわれる早出特打ち練習の「アーリーワーク」。ボカチカはこれにへきえきしていた。「強制的な練習量と時間という仕組みが僕には合わない。練習量や時間は個人によって、日々の調子によって違うもの。それを大久保コーチは理解してくれない」と嘆いた。陽気だが、言い方を変えれば大雑把なボカチカにとって大久保コーチに感じていた“上から目線”的な姿勢は、精神的に負担になっていたことは確かで、それがCS直前に爆発。殴り合いの大喧嘩までになろうかという事態にまで発展していた。
 この騒動が影響したのか、ボカチカは日本シリーズで10打数2安打5三振とさっぱり。第7戦で本塁打を放ち、09年のチーム残留に印象を良くした程度の働きしかできなかった。
 09年、大久保コーチはフロンと入り。2年目のボカチカは大いに自分のペースでできるかと思いきや、本塁打は20本から13本と減り、打率も2割1分5厘まで落ち、解雇。“天敵”がいた方が燃えるものがあったのかもしれない。
 

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