日めくりプロ野球 10月

【10月9日】2005年(平17) 31年ぶりへ冴えたボビー采配 ロッテ 第1ステージ突破

[ 2010年10月1日 06:00 ]

 【ロッテ3―1西武】「素晴らしい守備、投球、打撃。選手たちがすべてにおいて力を発揮してくれた。誇りに思います。世界最高のファンが集まってくれた。福岡へ行きましょう!」。
 そう呼びかけると、ライトスタンドから一塁側の観客席を中心に、勝利の瞬間に続いて紙吹雪が一斉に舞った。右翼席の応援団がホームページを通じて古紙を持参するよう呼びかけて用意された演出だった。

 05年最多、2万8996人の観衆の多くがロッテ、ボビー・バレンタイン監督の言葉に31年ぶりの夢がさらに近づいたことを確信した。パ・リーグのプレーオフ第1ステージ。シーズン2位のロッテが本拠地千葉で3位の西武に2連勝。リーグ1位のソフトバンクに挑戦すべく、福岡行きを決めた。12球団で一番日本シリーズから遠ざかっている、1974年(昭49)以来の出場にとうとう最終関門まで到達した。
 指揮官が素晴らしいと絶賛した3つの要素は、それぞれここぞという場面で輝きを放った。まず守備。4回、1死三塁と西武が迎えた同点機の場面で、投手が投げる直前に、小坂誠二塁手、堀幸一遊撃手の二遊間が猛然とダッシュ。前進してチャージをかけて、内野ゴロでも1点という打者の気持ちにプレッシャーをかけた。最初から前身守備をせず、思い切ったシフトを敷くことで、打者の集中力をそいだ。
 バレンタイン監督いわく「守備に自信があるからできる。大リーグでもひと昔前はよくやっていた。今は守りが下手になったから見かけなくなったが」。キャンプ中から取り組んできた変則シフトに押され、貝塚政秀一塁手、和田一浩左翼手は連続三振。西武はこの好機を逃したのが後々まで響いた。
 打撃では第1戦で1番を打った西岡剛遊撃手に代わって小坂を起用。これが大当たりし、初回に右中間三塁打。続く堀の犠飛で西武先発の西口文也投手からあっさり先制。主導権を握った。
 試合を決めたのは6回。ヒットのサブロー中堅手を一塁置いて、ランエンドヒットを敢行。マット・フランコ左翼手の二ゴロで併殺にはならず、二塁は生きると、ベニー・アグバヤニ右翼手、DHの李スンヨプ、今江敏晃三塁手と3連打。3人とも西口の決め球フォークボールを強振せず、逆方向へもっていくしぶとさを発揮。初戦を松坂大輔投手で落とした西武は半ばあきらめムードだったのに対し、これまでBクラスが10年続いてきたロッテ。勝利への渇望が打たせたトドメの3連打だった。
 そして第2ステージ進出の一番の立役者は先発の小林宏之だった。7回3分の2を4安打、中村剛也三塁手のソロ本塁打による1点に抑えた。9奪三振のうち8個が空振り。ウイニングショットのフォークを乱発せず、三振を取るときにだけ使ったのが有効だった。
 髪の毛を金髪にし、トウモロコシのように編み込んだコーンロウにしたドレッドヘアでマウンドに上がった右腕は「すごく気持ちがいい。今までにない緊張感だった」と完璧な投球をみせた。
 ノリノリのロッテは福岡でも大熱戦の末、ソフトバンクを振り切り、日本シリーズへ。阪神も4タテし日本一に輝いた。この西武戦終了後、約300人のファンが幕張の浜でひと足早いビールかけを行った。「後でできなくなるかもしれないから」という古くからのファンの心配をよそにロッテはその後もアジアシリーズも勝ち、2軍Vや交流戦1位なども含め計6冠を達成。球団創設以来、最高のシーズンとなった。
 
 

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