日めくりプロ野球 10月

【10月21日】2008年(平20) マーティ・ブラウン、謝罪文出し和解も“減俸”

[ 2009年10月1日 06:00 ]

すったもんだの挙句、契約にこぎつけたブラウン監督。2010年は別の球団のユニホームを着るのか…
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 英文のその手紙には日本語訳が付いていた。「不愉快な思いをさせて申し訳ない。後悔している」。謝罪文を書いたのは、広島・マーティ・ブラウン監督。松田元オーナーに宛てたものだった。
 「謝罪に感銘を受けた。もう感情的な対立はない」と松田オーナー。2日後に4年目の契約で合意し、広島に沸き起こった内紛は2週間で、一応の決着をみた。

 事の発端はブラウン監督が球団に出した3つの付帯条件だった。その主たる要求は監督の権限強化。チーム編成、トレードなどフロントの仕事である分野に監督自らが直接介入、決定権をも持つというものだった。
 ブラウン監督を招へいして3年。依然としてBクラスから脱出できないでいたが、広島は若手育成の手腕を評価し、4年目の監督契約を決めていた。そこに突き付けられたブラウンからの条件。思いもよらない申し出に、球団は驚きと同時に、越権行為としてこれを拒絶した。
 球団はこれまでブラウン監督にある程度の発言権や要求を認めてきた。しかし、それはあくまで要望であって決定権はフロントにあるというスタンスだった。
 球団の思わぬ反応に、今度はブラウン監督側が驚いた。別に球団とけんかをするつもりはなく、ただこれまで話し合われてきた“約束”を具体的に契約書に明記したいというものだった。
 しかし、球団は態度を硬化させた。「条件は撤回しても、感情的にブラウン監督で来季も行こうという気になれない」。これから新監督の人選に入るには遅すぎる」と、一時は山崎立翔2軍監督の内部昇格も真剣に検討された。
 しかし、双方ともしばらく冷却期間を置いたことで冷静になった。もともとブラウン続投の線で進めてきたのに、ここで方針を180度変えるのは得策ではなかった。しかも感情のもつれで契約を破棄したとなれば、選手の戸惑いや不信は増幅してしまう。金銭面などでは特に隔たりがないことから、ブラウン監督が契約書には明記しなくても良いという態度に出ると話は早かった。それに加えて出された謝罪文。日本的に言えば球団の顔を立てたことになり、解決に至った。
 25日に無事契約を終えたが、ここでショッキングな出来事に気がついた。ブラウン監督の年俸は現状維持の40万ドルだっが、契約はドル計算だった。この1カ月前、米国のリーマン・ブラザーズが経営破たんしたことで始まった金融危機の影響で、ドル安が止まらずこの日のレートで換算すると、年俸は約3760万円。これを1年前と比較すると、約4520万円で、結局760万円もダウンしたことに。加えて代理人交渉をしたため、ブラウンは手数料として、年俸の1割376万円程度を支払わなければならなくなった。合計すると1136万円の“減収”と結果的になってしまった。
 すったもんだの挙句に4年目の契約にいたったが、広島はクライマックスシリーズあと一歩のところで進出できず、12年連続のBクラスに終わった。契約には、Aクラスなら続投、優勝なら年俸倍増というオプションもついていた。両方ともかなえられなかったブラウン監督は広島を去り、野村謙二郎新監督が09年から指揮を執る。楽天の野村克也監督の後を継ぐ、3代目のボスに就任するのか注目される。

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