日めくりプロ野球 9月

【9月26日】2009年(平21) その時ノムさんは…セギ、リンデン、中谷仁 驚き3連発!

[ 2010年9月1日 06:00 ]

【楽天10―6西武】信じられないことが何度か起こる時、チームの成績は上昇するものである。球団創立5年目、初のクライマックスシリーズ進出が現実的になってきた楽天が、もう後がない08年日本一の西武を相手にそれをやってのけた。
 西武ドームでの21回戦、4点を追う楽天は5回、先頭の7番フェルナンド・セギノールが外角高めに甘く入ったストレートを左へ13号ソロ本塁打を放った。それまで1安打投球を演じていた岸孝之投手がこの一発でグラつくと、続くトッド・リンデン左翼手がライトへ豪快な10号弾を打ち込んだ。

 セギノールの時、西武バッテリーはカウント2―2から決め球にカーブを選択したが、これが外れると内角低目を狙ったストレートが逆球となり、痛打を食らった。続くリンデンにも2―2で「カーブが外れると、セギノールと同じパターンになる」という場面を恐れ、ストレートを選んだ。これを待っていた助っ人に完璧に打たれた。
 点差は2点に縮まった。「ようやくゲームになる兆しが見え始めた」と楽天・野村克也監督。打順が9番中谷仁捕手に回ると、席を立ち我慢していたトイレに立った。
 “監督不在”の中、打率1割8分1厘、2本塁打の“自衛隊”選手(守り専門で攻撃は苦手なプレーヤーのたとえ)がスライダーをうまくとらえ、打球は左翼へ舞い上がった。打った本人は全力疾走、一塁側ベンチはほとんど全員が立ち上がり、拳を突き上げた。1点差となる球団初の3者連続本塁打。ノムさんがベンチに戻ると、異様なほど盛り上がっているチームに一瞬何が起きたのか把握できなかった。
 「だって打つなんて思ってないもん。全然見てなかった」とノムさん。「3連発は球団初?へえー。そりゃ、岸も度肝抜かれただろ」と驚いたが、この3連発でチームに火が付いた。
 3本のヒットに相手の失策、暴投が絡んで一挙5点。気が付けば試合をひっくり返していた。「西武は3連勝しなきゃいけない戦い。うちは1つ勝てば御の字」と笑ったノムさんだが、力勝負となった打撃戦を制したことを密かに喜んだ。「(就任)4年目だけどこんな勝ち方はなかった。成長の跡がみられる。チームがいい方向に進んでいる」。
 7番打者から9番のいわゆる下位打線が3者連続本塁打したのは、03年9月14日にダイエーが対オリックス25回戦(ヤフーB.B)で20点を奪った試合で記録して以来6年ぶり5度目の珍しいシーンだった。ノムさんの言う「勝ちに不思議の勝ちあり」で西武を倒した楽天はソフトバンクを抜いて2位となり、悲願のクライマックスシリーズ進出を果たした。

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