日めくりプロ野球 9月

【9月29日】2008年(平20) 松田宣浩、“被弾”しない右腕から放ったリーグ初の1発

[ 2009年9月1日 06:00 ]

岩隈から08年のリーグ唯一の本塁打を放った松田
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 【ソフトバンク4-2楽天】簡単に2死をとった、20勝右腕・楽天の岩隈久志投手がキツいカウンターパンチを食らった。
 甘いカーブを左翼席まで運んだのは、ソフトバンクの3番松田宣浩三塁手。「会心の当たり。あれこれ考えず、センターへ打ち返す感じで思い切りいったら、カーブに反応できた」と満面の笑み。これでシーズン16号。ドラフト1位で鳴り物入りの入団を果たしてから3年。ようやく大物の本領を発揮し始めた。

 このソロ本塁打、先制の1点以上の重みがあった。この試合まで岩隈の被本塁打はわずか3本。“被弾”は約4カ月前の5月31日、交流戦の広島1回戦(Kスタ宮城)で倉義和捕手に一発を浴びて以来だった。岩隈は松田に一撃を食らうまでパ・リーグの打者に1本も本塁打を許さずに、ここまで26試合を投げ抜いていた。
 嫌な予感は多少あった。ソフトバンク戦はここまで3勝0敗で、1割台に打線を沈黙させていたが、こと対松田だけには14打数7安打、打率5割と苦手にしていた。「松田?意識したわけじゃないけど…」と歯切れの悪い岩隈。この1発でリズムを崩し、毎回安打を浴び5回4失点で降板で4敗目を喫した。
 防御率も1・93になり、2位だった日本ハム・ダルビッシュ有投手(1・90)に抜かれる始末。最多勝、最高勝率に最優秀防御率を加えた投手3冠に黄色信号がともった。最終的に防御率1・87でタイトルを奪取した岩隈だが、この年リーグ内で唯一の一発を浴びせたことで、“岩隈キラー”松田の存在感を十分アピールできた本塁打だった。
 しかし、王貞治前監督が「将来の4番候補。松中(信彦外野手)の後継者」と期待したほどの打者としてはまだ物足りなかった。岩隈から1発を放った08年の成績は2割7分9厘で17本塁打。過去2年から比べれば進歩したが、満足してはいけない数字だった。秋季キャンプで松中に「あの程度の成績で満足したら恥ずかしい。早くオレを抜いてみろ」とハッパをかけられた。
 筋トレ、バットスイング…どれを取ってもチームでトップクラスの量をこなし、同時に打撃理論も勉強した。どちらかと言えば素質だけでやっていた選手が、ようやく自覚をもって臨んだシーズン。それが09年だった。
 が、開幕戦で思わぬアクシデントに見舞われた。右手首甲を骨折。ようやく復帰したと思った矢先の7月18日のロッテ11回戦(千葉)では、死球で
右手首骨折と泣くに泣けないケガだらけの1年になってしまった。
 それでも松田は前を向く。手首骨折によって手術まで施したため、シーズン中の復帰は無理とされたが、驚異的な回復で9月15日のオリックス21回戦(京セラドーム)で9回に代打で復活。1安打1打点を記録した。復帰後は20日の西武戦から6試合連続安打(28日現在)2年ぶりのクライマックスシリーズ進出と6年ぶりの日本一に向かって突き進んでいる。
 

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