日めくりプロ野球 9月

【9月4日】2008年(平20) T・ウッズ、外国人初の6年連続!それでもイヤな予感が…

[ 2009年9月1日 06:00 ]

88年に大リーグエクスポズ入りもメジャー昇格はならなかったウッズ。本人いわく「人種的な壁があった」というが、守れなかったことが一番の元凶だったようだ
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 【ヤクルト5-3中日】敗色濃厚の中日は9回、4番タイロン・ウッズ一塁手が神宮球場の左中間上段へ30号2点本塁打を放った。
 03年に横浜入りし、40本塁打を記録してから6年連続の30発超え。巨人・王貞治一塁手の19年連続を筆頭にプロ野球史上7人目の記録だったが、外国人選手としてはクラレンス・ジョーンズ(南海、近鉄)、ロベルト・ペタジーニ(ヤクルト、巨人)の5年を抜いて初の快挙。中日の選手としても前人未到の連続記録となった。

 「誇りに思っているよ」と話したウッズ。だが、表情はあまりさえなかった。数字のことを聞かれるのを嫌がるというのもあったが、30発を打っても「チャンスに弱い」という周囲からの雑音が最近特にボリュームアップしている気がして毎日落ち着かなかった。
 打率は2割8分2厘あるのに、得点圏打率は1割8分8厘。4番としてはチャンスに云々言われても仕方のない数字だった。8月で39歳。選手生命も決して長いとはいえない年齢にさしかかり、ウッズの心は揺れていた。
 イヤな予感はシーズン前からあった。韓国・斗山時代、“黒熊”の愛称で親しまれたウッズはその大柄な体格に似合わず思い込みが激しい性格で、08年のキャンプイン前日にした忘れ物を夏が終わっても気にしていた。
 忘れ物は名古屋の自宅の鍵だった。米国からキャンプ参加のため来日、名古屋の自宅に寄ってから沖縄に行く予定だったウッズは名古屋に着いて家の鍵を米国の家に忘れてきたことに気がつき、結局その日はホテルに宿泊することになった。
 普通なら“ツイてない”くらいでいずれ気にしなくなるものだが、ウッズは考え込んでしまった。「何か悪いことが起こる前触れじゃないだろうか」。忘れ物の一件がシーズン中ものどに刺さった小骨のように心のどこかに引っ掛かっていた。夏場に不振になったのも、チャンスで打てないのもそのせいでは…。そうではないと頭で分かっていながら、あの日の忘れ物を悔やんでいた。
 不振は鍵を忘れたからでは決してないが、ウッズ流の思考で言うならばイヤな予感は当たってしまったことになる。クライマックスシリーズで巨人に敗れた中日は成績が下降気味で年俸5億円と高額なウッズを解雇。まだ29歳と若い、新主砲のトニー・ブランコ内野手と契約した。
 6年間の通算成績は240本塁打で本塁打王3回、勝負弱いとされながらも打点王も1回、打率も2割8分9厘わマーク。ヤンキースの主砲だったレジー・ジャクソンにちなみ、背番号44を付けた外国人選手をドラゴンズ史上最強の助っ人と位置づける関係者も少なくない。
 「また日本でプレーしたい。オファーがいつ来てもいいように、トレーニングは欠かしていない」と米国帰国後に語ったウッズ。09年に阪神が獲得の調査をしたようだが、40歳という年齢ではじかれた。どうやらこれからは“伝説の外国人選手”の一人として日本では語られることになりそうだ。

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