日めくりプロ野球 9月

【9月15日】2007年(平19) 新“代打の神様”真中「オレらしく」日本記録達成!

[ 2008年9月11日 06:00 ]

5月8日の横浜戦で横浜の抑え、クルーン(左)から逆転3点本塁打を放った真中は笑顔でダイヤモンドを一周
Photo By スポニチ

 【横浜5-3ヤクルト】36歳で年寄り扱いするのは、寿命が年々延びるプロ野球のベテラン選手に失礼だが、敬老の日にヤクルトの15年目、真中満外野手が38年ぶりの新記録を打ち立てた。
 横浜スタジアムでの横浜-ヤクルト17回戦の8回、代打で出場すると横浜・寺原隼人投手から三塁内野安打を記録。これでシーズン代打安打は27本となり、代打成績が集計されるようになった1962年(昭37)以降、69年に26安打を放った東映(現日本ハム)の三沢今朝治(けさはる)外野手の記録を抜き、記録更新となった。

 村田修一三塁手への高いバウンドの内野安打に「クリーンヒットで決めたいっていう色気はあったけど、オレらしくていいんじゃない」と苦笑した真中。新“代打の神様”と呼ぶ人もいたが、「そういう名前付けるとダメになるよ」と、嫌がってきた。しかし、この日ばかりは「素直に嬉しい。開き直ってやっているのがいい結果につながっている」と喜びをテレずに口にした。
 真中はさらに代打でもう1つの日本新を樹立した。07年のシーズンは代打起用回数実に98回を数えたが、これは64年の東映・島田雄二外野手の90回を上回るものだった。体をフルに一回転させ、内角球をさばく職人芸は衰えることなく、むしろさらに磨きがかかり、真中の代打成績は94打数31安打、打率3割3分。5月8日、神宮での横浜4回戦で、マーク・クルーン投手から逆転3点本塁打を放ったこともあった。交流戦などでスタメン出場した際の成績は25打数7安打、2割8分。比較すると代打の方がいいのも、1打席にひと振りに集中する真中の集中力が数字として表れている。
 身長1メートル71。プロ野球選手としては高いとは言えない背丈だが、そのため日大時代は“若松二世”とも呼ばれた。同じく身長があまりないヤクルト・若松勉外野手と重なるほど、シュアな打撃が光り、パンチ力もあった。50メートル6秒1の俊足も魅力で、21年ぶりに日大を東都大学リーグでエースの門奈哲寛投手(巨人)とともに優勝させ、92年のドラフトで真中はヤクルトから3位指名された。
 1軍初昇格はルーキーイヤーの93年9月3日。当日の朝7時の電話でたたき起こされ、急いで神宮球場へ。野村克也監督は「8番・中堅」でいきなりスタメンで起用した。期待に応え、3打席目で巨人・斎藤雅樹投手から右前打を放ち、プロ初安打初打点。試合はこの一打が決勝点となり、2-1でヤクルトが勝利。野村監督が打席に入る前「向こうの大打者(巨人・長嶋茂雄監督)もデビュー4三振やった。余計な事を考えずに思い切りいけ」と声をかけてもらい「気が楽になった」と話したが、勝負強さ片りんはプロのスタート時から備わっていたようだ。
 08年は高田繁監督の若手への切り替え用兵で出番が少なく、14試合でわずか1安打。5月2日に再調整でファームに落ちて以来、1軍で元気な姿を見ていない。まだ37歳。通算1525安打を放った職人芸をファンは楽しみにしている。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る