日めくりプロ野球 9月

【9月1日】2007年(平19) お騒がせドミンゴ1試合4ボークの新記録…暴言退場も“怪勝”

[ 2008年8月30日 06:00 ]

4ボークを取られて暴言を吐き退場させられるドミンゴ・グスマン投手(左から3人目)は審判団に食ってかかった
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 【楽天7-3西武】止まらない、どうしても止まらない。楽天-西武18回戦(宮城)の4回、楽天の先発ドミンゴ・グスマン投手はなんと1イニング3ボークを記録。3回の1ボークと合わせて、1試合4ボークのプロ野球記録を更新してしまった。
 初回、西武の指名打者・栗山巧外野手の5号ソロでの失点は仕方ないにしても、3回二死一塁からのボークで二塁へ進塁させ、栗山に今度は右前適時打を食らい無駄な点を取られると、4回には二死一塁で連続ボークで三塁まで行かせ、9番・石井義人三塁手の時にこの回3つ目を犯し、ついに生還させてしまった。

 セットポジョンで一度腕を静止させなければいけないところを、止まらずにすぐ投げるクセのあるドミンゴ。楽天首脳陣も練習中から注意はさんざんしてきたが、頭に血が上ると忘れてしまうのにはベンチもお手上げ。ホセ・フェルナンデス一塁手の満塁弾で4連敗中の天敵・涌井秀章投手から2回までに6点を奪い、きょうこそは意気込む楽天ナインもこれにはしらけるばかり。パ・リーグ初の1回3ボークに野村克也監督も交代の決断をせざるを得なかった。
 交代指示には従ったドミンゴだが、三塁側ベンチに引き下がる際、ボークの判定をし続けた、秋村謙宏三塁塁審に「ファ××!」と暴言を吐いた上に中指を突き立てて侮辱。退場を宣告されると、秋村塁審に向かって行ったがチームメイトに抑えられた。秋村塁審は以前、野村監督に「(ボークを)取ったり取らなかったり…」と言われたことが頭にあり「だから全部取った」結果が、1試合4ボークとなった。
 「長年監督やっとるけど、ボークで投手交代したことは記憶にないなあ」と野村監督も驚くやらあきれるやら。1974年7月14日、日生球場での近鉄-日本ハム後期1回戦で、投手としては珍しい背番号3をつけた日本ハムのテレンス・レイが記録した1試合3ボークの日本記録を塗り替えたドミンゴは「ちょっと熱くなりすぎた。今度は修整する」と反省。これで3勝目もなくなり、退場でベンチにも入れなかったことで、独りロッカールームでしょげていた。
 ドミンゴのボーク乱発にもびっくりした野村監督だが、9回には抑えの小山伸一郎投手が、代打・中村剛也内野手の頭部に死球、危険球退場に。これまたパ・リーグでは初めての2投手退場となった。
 慌てたベンチは急きょ山村宏樹投手を救援に立て、7球かかったが片岡易之二塁手を三振に仕留め、プロ初セーブを飾った。不名誉な2つの記録を出しながら、楽天が苦手の涌井に黒星をつける“怪勝”は、まさに野村監督の口癖「勝ちに不思議の勝ちあり」をそのまま再現した試合だった。最終的に07年4位となった楽天と5位西武のゲーム差はわずか1。この1戦での楽天の勝利は後々後々大き影響を及ぼすことになろうとは、この時点で誰もそうぞうできなかった。
 08年8月末現在、ドミンゴの通算ボーク数は16で現役投手最多。歴代4位で、最多記録保持者の江本孟紀投手(南海、阪神など)の24個にあと8個に迫っている。横浜、中日、そして楽天と渡り歩いてきたドミンゴはロッテ、オリックスから白星をマークすれば、外国人投手として初の12球団から勝ち星を挙げることになる。ボーク新か12球団勝利か、どちらが先になるだろうか。

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