日めくりプロ野球 8月

【8月25日】2007年(平19) 15奪三振も報われず…小笠原孝、援護なしで●

[ 2010年8月1日 06:00 ]

 【阪神2―0中日】阪神の4番金本知憲左翼手を敬遠で歩かせると、ベンチから中日・落合博満監督が迷わず出てきて、嶋田哲也球審に投手交代を告げた。9回1死満塁。ここまで138球を投げ、阪神打線から8回までわずか3安打、毎回の15奪三振を記録した左腕小笠原孝投手は、キュッと口元を締め、納得いかない表情でマウンドを降りた。

 1点も相手に許さなかった小笠原。ストレートが走り、三振の山を築いたシーズン最高ともいえる投球だった。しかし、味方の打線は2回まで6安打を放ちながら拙攻で好機をつぶし、3回以降はヒットさえ打てず無得点。リーグ記録の1試合16奪三振に並ぶ可能性、いやそれ以上に40日近く遠ざかっている勝ち星にも恵まれず、守護神岩瀬仁紀投手と交代することになった。
 「一番信頼できる投手」と落合監督が断言する岩瀬だったが、この日に限っては小笠原の方が良かったかもしれない。5番林威助一塁手に中犠飛を打たれ、痛恨の1点を許すと、続く矢野輝弘捕手にも中前適時打を浴び2点目。勝ちどころか、好投していながら岩瀬が打たれたことで、走者を許した小笠原に自責点が付き、敗戦投手になってしまった。
 「先頭打者を出してしまったのがすべて。あの回は抑えたかった」と小笠原。9回、先頭の浜中治右翼手にヒットを打たれたことを悔やんだ。それでも林からは2三振、矢野も3打席連続三振に切って取っていただけに、本心はどうしても投げたかった。
 15奪三振以上の快投を演じながら、敗戦投手になったのは史上5人目。国鉄・金田正一投手が2度記録しているため、6度目の“珍事”となった。中日では初めてのことだったが、5人のうち93年6月9日にヤクルト・伊藤智仁投手が巨人戦で記録した16奪三振で敗れた試合を除き、4人は左腕投手という悲しい共通点があった。
 2010年で12年目の小笠原だがここまで完封勝ちは1度もない。最大のチャンスがこの時の阪神戦だっただけに、1点でも援護があれば…と思いたくもなる1戦だった。

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