日めくりプロ野球 8月

【8月9日】2007年(平19) ダルビッシュ、お立ち台で結婚宣言!節目の2ケタ勝利で飾る

[ 2009年8月1日 06:00 ]

ヒーローインタビューで結婚宣言をしたダルビッシュ
Photo By スポニチ

 【日本ハム4-2楽天】札幌ドームの3万5000人超の観衆の誰もが知っていたが、本人の口から“愛の告白”を聞きたかった。
 「女優のサエコさんと結婚を前提にお付き合いさせてもらっています。うれしいことに子供も授かりました。家族が増えると思いますので、ファンの皆さんも温かく見守って下さい」。
 「狙っていた」というお立ち台で“結婚宣言”をした、日本ハム・ダルビッシュ有投手。7回3分の0を投げ、6安打2失点。リリーフ陣に後を託し、10勝目をマーク。過去に例がないヒーローインタビューを、約束通り夏休み真っ只中の試合で行った。

 完投こそ逃したが、2年連続10勝の節目の日に人生の一大決心を公の場で披露したことにダルビッシュは「こんなにファンの方が祝福してくれるなんて思ってもみなかった。幸せ者です」。スタンドには「有・サエコ おめでとう!」の横断幕やパネルがいたるところで掲げられていた。
 愛する人のために勝利を誓ってマウンドに立った。絶対完封、せめて完投はしたかった。その思いは初回からはっきりと見て取れた。まず、先頭の楽天・渡辺直人遊撃手を三振に仕留めると、5回まで毎回の8奪三振。球速は150キロ台を連発し、飛ばしに飛ばしているのが誰の目にも明らかだった。
 あまりの気の入れように右腕がつった。「完投したいならもうちょっとセーブして」と野球の“女房”役の鶴岡慎也捕手が助言。6回からギアチェンジして、変化球主体の投球で打たせてアウトを積み重ねた。
 それでも8回、初めて先頭打者にヒットを許すと、シャットアウトが頭にちらつき力んだ。力任せのボールは棒球となり、3連打を食らい2失点。勝負の8月。4位まで5ゲーム差以内のダンコレースに、首位を走る日本ハムのトレイ・ヒルマン監督も勝つことが先決。ダルビッシュの完投勝利の希望には沿えなかった。
 一方、ダルビッシュに“ご祝儀”の白星をプレゼントしてしまった楽天・野村克也監督はこちらも“節目”の通算1400敗目を喫した。「それがどうした。長い間やっとれば、いろいろあるんや」とダルビッシュをマウンドから引きずり下ろしながらも、日本ハムリリーフ陣を崩せなかったことにすこぶる不機嫌。お立ち台で結婚宣言したダルビッシュに「アイツいくつや?20歳?もう結婚か…オレから言わせればミステーク。もったいないなあ」と、ノムさん流の祝いの言葉を投げかけた。
 結婚後、ダルビッシュの進化はとどまるところを知らない。結婚宣言した07年は15勝5敗、子供が生まれた08年は16勝4敗と勝ち星が増え、負け数が減るという理想的な結果を残している。その間に北京五輪に出場。09年のシーズン前にはWBCで“胴上げ投手”にもなった。家族の存在が何十年に1人という才能を持つ右腕の心のよりどころであることは間違いない。
 もはや向かうところ敵なし。将来は多くのトッププレーヤーと同じように海の向こうのベースボールに活躍の場を移すのか。「メジャーに行くくらいなら野球を辞める」とさえ言うダルビッシュ。その言葉を信じ、生涯日本プロ野球で投げ続け、往年の名投手の記録に挑むという生き方を望むファンも多い。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る