日めくりプロ野球 8月

【8月12日】2006年(平18) 316打席目の1号アーチ は118日ぶりの“2号”

[ 2008年8月7日 06:00 ]

再来日1号本塁打を放った瞬間のリック・ショート。来日から4年目、08年は首位打者も夢ではない位置につけている
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 【西武8-7楽天】開幕から80試合。打率は3割2分を超えていながら、本塁打はゼロだった。前日の8月11日、プロ野球通算8万5000号という派手なアーチを放った同僚の楽天、ホセ・フェルナンデス三塁手は22本、相手ベンチを見ても西武、アレックス・カブレラ内野手も23本打っていた。
 オレはオレ、と思いつつも、やはりゼロは気にしていた、楽天のリック・ショート一塁手がようやく胸を張れる日が来た。西武13回戦(インボイス西武)の3回、涌井秀章投手からセンターバックスクリーンに飛び込む125メートルのシーズン1号、しかも先制の満塁アーチを放り込んだ。

 名前の通り「“ショート”な当たりしか出んのう」と、渋い表情だった野村克也監督も開幕から316打席目のグランドスラムに「珍しいものを見た」とビックリ。球場まで驚いてしまったのか、試合は大荒れの展開となり、4点を先制しながらも、楽天は延長10回の末、サヨナラ負けを喫した。
 「4点取ったときは大丈夫と思ったけど…。勝てなくて悔しい」。普段から生真面目なリックは、心底悔しがった。ちなみにこの本塁打、楽天の3番打者としては4月16日、オリックス5回戦(スカイマーク)で礒部公一外野手が放って以来、118日ぶりのアーチでもあった。
 03年は「ショート」の登録名でロッテに在籍。その後のリックからは想像し難いが、日本での初安打はダイエー・岡本克道投手から広い福岡ドームで放った本塁打だった。
 3割3厘の成績を残しながら、12本塁打は外国人選手として見劣りすると、1年でロッテを解雇されたリック。独立リーグ、米マイナー、メジャー昇格そして再度マイナーへ…。めまぐるしい2年間を送って日本球界に復帰した。05年、楽天は日本で経験のない外国人選手を大量採用したが、どれも“ハズレ”。その苦い経験から、他球団をリリースされた選手を中心にリストアップ。確実性のあるバッティングと真面目な性格が評価され、再来日することになった。
 1年目は8月に1号が出るほどだから結局4本塁打、翌07年も4本と以前にも増して“ショート”になったが、打率だけは3割1分4厘(06年3位)、3割3分(07年2位)と年々“進化”。08年も11日現在、3割3分2厘で北京五輪日本代表の西武・中島裕之内野手の3割4分3厘を追う2位につけ、本塁打はここ2年と比べて“倍増”の8本も打っている。
 35歳、メジャー経験はわずか1年、しかも11試合しかないが、野村監督は敬意を表して時々「リックさん」とさん付けして呼ぶ。練習熱心で、日本の“ヤキュウ”を理解しようとしているだけではない。少々のけがやや痛みでは弱音は吐かず休まない。派手な本塁打や快速球を投げる投手ばかりに目が行く外国人の存在価値だが、“職人”と呼ぶにふさわしい打撃技術を備えた、玄人好みの助っ人がここにいる。

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