日めくりプロ野球 8月

【8月8日】1998年(平10) 39年ぶりの中止 そのまま霧の中に入ってしまった日本ハム

[ 2008年8月2日 06:00 ]

優勝間違いなしのはずが、歴史的失速でV逸した日本ハム・上田監督(右)。濃霧の中止以降、成績が急降下したのは何かの因縁だろうか…
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 福島県営あづま球場での日本ハム-西武戦18回戦は1回表、西武の攻撃が終わると審判団が中断を宣告した。試合開始前から間断なく降り続いた霧雨だけでも視界が悪いのに、試合開始の午後6時ごろになると、今度は霧が立ち込めてきた。
 初回、西武・高木大成捕手が日本ハムの先発・芝草宇宙投手から放った打球は、レフトへの飛球。日本ハム・西浦克拓左翼手は上空を見上げたまま、おろおろするばかり。完全に見失い、これをヒットにしてしまった。
 「空の部分に打球が入ると全く見えない」と西浦。打った高木でさえ「レフトの方向に飛んだのは分かったけど、後はもう全然分からない。だから二塁へ走ろうにも走れなかった」。何とか西武の攻撃は0点に終わったが、とても野球ができる“環境”ではなかった。

 中断後、しばらくして日本ハム・古屋英夫内野守備走塁コーチがノックバットを持って一塁側ベンチからできた。外野へ飛球を飛ばし、それを審判団、日本ハムの選手が落下点に入って見えるかどうか確かめる。中堅は何とか見えるようだった。しかし、両翼ともなると西浦が話したように全くのお手上げ。橘修球審はプレーボールから約50分後にノーゲームを宣告した。
 2位近鉄に7・5差、3位西武には9・5差をつけ、首位独走中の日本ハム。7月下旬から所沢、札幌、福岡と長期ロード中だった上田利治監督は「天気が悪すぎる。すっきり集中してやった方がええ」といい休養になるとあって大歓迎の様子。一方、西武・東尾修監督の表情は曇った。代替日程が9月3日の東京ドームと決まると、「ドームでやるの?嫌だなあ。あそこでやると、ハムの勝率いいんだもん。ここでやりたかった」。西武ドームでは4勝4敗のイーブンの戦いだったが、東京ドームでは3勝6敗と負け越していた。
 ところが、この中止を境に日本ハムは濃霧に迷い込んでしまったように連敗街道を歩むことになる。翌9日に福島・いわきでの西武戦を0-1で試合を落とすと、1引き分けを挟んで9連敗。9月3日の“再試合”こそ6-4で勝ったが、得意の東京ドームの西武3連戦で1勝2敗と負け越した。
 9月24日に西武に首位を奪われると、もう追い抜くことはできず、17年ぶりのリーグ制覇は夢に終わってしまった。霧がなかったら、もう少し霧が薄かったら…。日本ハムの運命を変えた濃霧だったのかもしれない。
 濃霧での中止は59年(昭34)6月4日、平和台球場での西鉄-近鉄戦が3回表、2-2の同点で濃霧によってノーゲームとなって以来、39年ぶり2度目。濃霧コールドゲームは05年10月22日の日本シリーズ第1戦、ロッテ-阪神(千葉マリン)など、数回あるが、この試合の濃霧は図らずも、優勝の行方を左右した運命の分岐点となった。

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