日めくりプロ野球 2012年8月

【8月6日】2010年(平22) 登板する前にプロ初本塁打 館山昌平 22年ぶりの珍記録

[ 2012年8月6日 06:00 ]

 【ヤクルト16―4横浜】初球だった。140キロの真っすぐに対して素直にバットを出すと、打球は夕暮れ時の横浜スタジアムのセンターへ向かって弧を描いて飛んでいった。

 推定飛距離125メートルの3点本塁打を放ったのは、ヤクルト・館山昌平投手。これがプロ8年目にして初の本塁打だった。投手の初アーチなら8年かかっても不思議ではないが、この記録、実は22年ぶりの珍記録だった。

 館山が打ったのはなんと1回表。つまり、登板する前に打席が回ってきて、先にバットでひと仕事してしまったということだった。ヤクルトは初回、横浜先発の大家友和投手を攻めて、5番畠山和洋左翼手の3点本塁打などで4点を入れると、さらに2死一、三塁で9番の館山に打順が回り「流れの中で打とうと思った」と強振したところ、これが本塁打となった。

 投手が登板する前に本塁打を放ったのは、1988年5月11日、広島の長冨浩志投手がヤクルト4回戦(神宮)で矢野和哉投手から左翼へ3点本塁打を放って以来のこと。館山が打つまで、ヤクルトは前身の国鉄時代も含め球団61年の歴史の中で誰もやったことがない、珍しい記録だった。

 この日館山は復活を期しての登板だった。6月23日の巨人戦で右足薬指を疲労骨折して、登録抹消をされて以来、約1カ月半ぶりの1軍マウンド。少なからず不安がある中で、自らのバットでの3打点を含む計8点がいきなり入った。

 これほどの援護点は、そういつもいつももらえるわけではない。館山は初回、横浜を3者凡退で終えると、そのまま5回まで6安打無失点。150キロの直球とスライダーを武器に、大量点が入ると崩れがちなる投手が多い中で、自らのペースを守り好投。6、7回に疲れが見えたところを打たれて3失点したが、中押し、ダメ押しと加点していたヤクルトには焼け石に水だった。

 7回まで投げ、骨折した巨人戦以来の5勝目をマークした館山。「ホームランはおまけ。勝てたことがなにより。戦列を離れていた1カ月半の分を取り戻したい」。以後、さらに7勝をマーク。一発がツキを呼んだかのように白星を重ねた。

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