日めくりプロ野球 2012年7月

【7月14日】2010年(平22) 金子千尋 3戦連続完封 45年ぶり“ガソリンタンク”に並ぶ

[ 2012年7月14日 06:00 ]

 【オリックス5―0ロッテ】最後は直球で締めたかった。7球連続して投げた真っすぐでロッテ・福浦和也内野手を空振り三振に仕留めた、背番号19は納得の笑みをマウンド上で浮かべた。

 オリックス―ロッテ11回戦(千葉マリン)でオリックスの先発、金子千尋投手は7安打8三振2四球、135球の熱投で完封勝利を挙げた。これで1日の楽天12回戦、8日の西武12回戦(いずれも京セラドーム大阪)に続いて3戦連続シャットアウト勝ちとなった。

 パ・リーグ7人目の快挙で95年8月の日本ハム、キップ・グロス投手以来15年ぶり。球団では前身の阪急で“ガソリンタンク”の異名を取った、通算350勝右腕・米田哲也投手が65年5月に達成してから45年の歳月が流れていた。

 金子が生まれる18年も前の記録に並んだのは、苦手のロッテだったからこそ価値があった。「これまでやられていたから“きょうこそは”という気持ちが強かった」と金子。連続完封をしていても、09年から5連敗中の相手に勝てなければ意味がない。点差は5点あったが、「余裕はなかった」と言うとおり、走者を出さなかったのは3イニングしかなかった。

 これでシーズン5度目の完封勝利。過去4回はすべて本拠地の京セラドーム。ビジター、しかも気象条件の影響を受けやすい屋外球場での記録は嬉しさを倍増させた。向かい風が強かったため、フォームが安定するセットポジションでの投球に切り替えた。ロッテに勝ちたい、そのためには柔軟に対応した。

 ただ、一つ強いこだわりをみせたのが、球速150キロ前後のストレートだった。カーブにフォーク、カットボール、チェンジアップにシュート…球種は多彩だが、勝負どころでは真っすぐ勝負でピンチを切り抜けてきた。

 原点は入団2年目の08年、春季キャンプ。この年、ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場するため、シアトル・マリナーズのイチロー外野手が古巣のキャンプに参加。調整を続けていたが、紅白戦で金子は対戦。その初球にカーブを投げた。これを厳しくしかったのが、大先輩清原和博一塁手だった。

 「真っすぐで勝負せなアカンやろ」。自分の一番いい球を、超一流の打者に投げずして、何で勝負する――。清原の叱責で金子のマウンドでの姿勢は決まった。

 4戦連続完封のリーグ新記録はならなかったが、3連続シャットアウトが始まった楽天戦から2カ月半以上負けなしの13連勝をマーク。シーズン17勝8敗で最多勝のタイトルを獲得。シーズン6完封もリーグ最多だった。ウイニングショットにストレート、この基本線を忘れずにつかみとった勲章だった。

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