日めくりプロ野球 2011年10月

【10月14日】2009年 ブラウン吹っ飛べ!野村克也監督も“ベース投げ”

[ 2011年10月14日 06:00 ]

練習後、カメラマンのリクエストに応え「ブラウン飛んでけ」と三塁ベース板を放り投げる野村監督

 半分冗談、そして半分は本気だったのかもしれない。初のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた、楽天・野村克也監督はKスタ宮城での練習後、思わぬパフォーマンスを見せた。

 三塁ベースに近づいたノムさん。いきなり、ベースを取り外すと、「ブラウン、吹っ飛べ!」と大声とともに放り投げた。「こりゃ重い。50年以上もこの世界にいて、こんなに重いとは知らなんだなあ」と、感想を口にしたが、この突然の行動、球団に対しての抗議の意味合いが強かった。

 楽天は11日に、野村監督の任期満了に伴う監督交代を発表した。次期監督候補として名前が挙がっていたのは、広島のマーティー・ブラウン監督。最下位からスタートした野村監督は、就任4年目の09年に2位までチームを押し上げ、CSを地元仙台で戦えるまでにチームを育て上げたノムさんだったが、球団は新しい人材を求めていた。

 「解任だ」「CSを前にして発表することではない」などとノムさんはマスコミを通じ、球団のやり方を批判したが、球団は球団で「早く去就を決めてくれと言うので、監督も了承して発表した」(島田亨オーナー兼球団社長)と両者の言い分は、どこまでいっても食い違うばかり。そんな中で時間だけが確実に過ぎていった。

 次期監督候補が広島時代に判定に抗議する際に何度も見せて、大いに盛り上がったパフォーマンスをやってみせたあたり、ノムさんの悔しさがにじみ出ていた。「ユニホーム姿もいよいよ秒読みや。これからどう呼ばれたい?元楽天監督は、ちょっとね…。うーん、元南海捕手がいいね」。最後は石もて追われたチームについては、関係を避けてきたが、最後にそう言ったのは本心なのか、それとも楽天への嫌味だったのか、ともかく「死ぬまで野球をやりたい」と言ってはばからないノムさんが、結果を出しながらユニホームを脱がなければならない無念さは痛いほど伝わった。

 ベースは投げても、CSは投げなかった野村監督は3位ソフトバンクとの第1ステージで岩隈久志、田中将大の看板両投手の連続完投勝利で一蹴。意気揚々と北海道へ乗り込み、日本ハムと激突した。

 第1戦は7回終了時点で5点リードと勢いそのままの試合をしたが、終わってみれば日本ハムの5番ターメル・スレッジ外野手に逆転満塁本塁打を食らいサヨナラ負け。これで流れが変わってしまった。

 第2戦も落とした楽天は、3戦目に田中が意地の完投勝利も、第4戦は4―9で敗れ、「日本一になって(監督交代を)困らせたい」と考えていた楽天ナインの“野望”はならず、名将は静かにユニホームを脱いだ。

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