日めくりプロ野球 2011年10月

【10月6日】1950年(昭25) もう破られない?金田正一 プロ野球最年少本塁打

[ 2011年10月6日 06:00 ]

 【国鉄6―5西日本】プロ入りして2カ月足らず。弱冠17歳2カ月の少年がプロ野球で本塁打を放った。少年は野手ではなく、投手というのが二重の驚きだった。

 後楽園球場での国鉄(現ヤクルト)―広島14回戦の7回裏、国鉄の先発金田正一投手は西日本のエース緒方俊明投手から右翼へ豪快な本塁打を放った。国鉄が2点リードしていた7回表、西日本の5番清原初男三塁手に逆点の3点本塁打を浴びた直後の一発。逆転された責任を自らのバットで取り返した。

 金田は8回以降も続投。17歳の左腕が速球で真っ向勝負を挑む後姿にナインが応え、8回に2点を奪った国鉄が6―5で勝利。金田は8安打6四球を許しながらも、7三振を奪い完投。プロ2勝目を挙げた。国鉄はこれでシーズンようやく27勝目となった。

 金田の放った、試合を振り出しに戻した一打こそ、現役生活20年で通算38本塁打を放った金田の1号アーチ。当時としては誰も注目しなかったが、この本塁打こそ、プロ野球最年少17歳2カ月での一発で、いまだに破られていない記録である。

 38本塁打はプロ野球の投手の最多本塁打記録でもある。大リーグでも39本塁打ということを考えると、世界レベルの数字といえる。それだけに38本の中には、さまざまな肩書きつきの一発も少なくない。

 投手として登板している中での本塁打は36本で、残りの2本は実は代打での一発。62年(昭37)9月22日、対広島26回戦(東京)で大石清投手から1本目を放つと、2本目は巨人に移籍してからの68年(昭43)に打っている。代打の層も厚い巨人V9時代に金田が代打に使われること自体が驚きだが、川上哲治監督の起用に応えた金田も驚きである。

 登板した際の2試合連続本塁打も2度記録。55年(昭30)5月26日の対中日10回戦(川崎)では中山俊丈投手から、59年(昭34)5月30日の対大洋7回戦(後楽園)では秋山登投手から、それぞれサヨナラ本塁打記録。打者でも1度も経験せずに引退する選手がいる中で、2本のサヨナラ弾は特筆すべきものである。

 ちなみに投手の本塁打数2位は巨人・別所毅彦投手の35本(投手出場時で31本、残りの4本は一塁や外野出場で打ったもの)。3位は阪急・米田哲也投手の33本。以下大洋・平松政次投手の25本、巨人・堀内恒夫投手の21本と続く。いずれも投手として200勝以上の記録を残している。
 

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