日めくりプロ野球 2011年9月

【9月17日】1995年(平7) 球界初 2日連続 しかも初回に退場になったデューシー

[ 2011年9月17日 06:00 ]

バッティングは粗かったが一発の魅力があったデューシー

 【ダイエー3―1日本ハム】いきなり初球からだった。日本ハム―ダイエー26回戦(後楽園)の1回裏、日本ハムの1番ロブ・デューシー左翼手の尻に、ダイエー先発藤井将雄投手のストレートが直撃した。

 一瞬にして顔つきが変わったカナダ・トロント出身の助っ人は、何か叫びながらマウンドへツカツカ歩み寄った。誰もが殺気を感じた。坊西浩嗣捕手が背後から止めようとすると、いきなり右ストレートが坊西の顔面を襲った。

 こうなると止まらない。デューシーがさらに坊西にヘッドロックをかけると、そこへ三塁を守っていた松永浩美が参戦。デューシーに蹴りを入れて“反撃”を試みた。両軍ベンチから選手、コーチ、日本ハム・上田利治監督、ダイエー・王貞治監督までもグラウンドへ。コーチ陣同士が激しくののしりあい、双方のユニホームをつかんで顔を紅潮させながらにらみ合った。

 6分間の中断の後、両監督が異例の話し合い。「本来の野球をしっかりしましょう」ということで試合再開へ。ただ一人納得行かなかったのは退場を言い渡されたデューシー。「初球からあんな球が来るわけない!明らかにオレは狙われたんだ!」とわめきちらし、一塁側ベンチ裏で荒れに荒れた。

 実はデューシー、2試合連続の退場だった。しかも、前日16日も1回裏のことだった。ダイエー25回戦の初回、1死三塁の場面で三塁走者のデューシーが3番片岡篤史一塁手の二ゴロで本塁へ突入した。捕手の坊西に体当たりするような格好で生還したデューシーだったが、ボールはバックホームされず一塁へ送球されていた。

 ボールが来ていないのにキャッチャーに体当たりしたことをラフプレーとみたダイエー側は興奮。ベンチに座っていたケビン・ライマー内野手がデューシーに飛びかかり乱闘。取っ組み合いになった助っ人2人は、桃井進球審に退場を宣告された。デューシーが「狙ってきた」と感じたのも、前日の報復と受け取ったからだった。

 ダイエー側からしてみれば、それはデューシーの被害妄想だった。チームは6連敗中。残り8試合ながら4位の可能性が残っていたダイエー。しかも、藤井はここ2試合先発で失敗しており、この試合で1つ勝ち越しになるか、1つ負け越しになるかは、来季以降の1軍定着を考えれば、死球など先頭打者に与えている場合ではなかった。

 球界初の2試合連続退場処分となったデューシーは、この時点で打率24本塁打を放つも、打率は2割4分4厘。日ごろから「2割4分の助っ人なら、若手の日本人を使った方がチームのため。私の使った外国人の中で最低の成績」と上田監督に酷評され、連続退場を機に解雇濃厚となった。

 それでも翌96年も残留。目ぼしい助っ人が見つからなかったのと、もう手は出さないと球団に固く誓っての1年の延命だった。

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