日めくりプロ野球 2011年8月

【8月23日】1996年(平8) 成績不振 伊良部問題…ロッテ 江尻亮監督 緊急入院

[ 2011年8月23日 06:00 ]

 ロッテの江尻亮監督が都内の病院に緊急入院した。緊急というのは多少大げさだが、検査のため6日間の入院をすることになり、復帰予定の30日までの試合の指揮を江藤省三ヘッドコーチが執ることになった。

 その前日の22日、千葉マリンでのダイエー22回戦にロッテは3―0で快勝。その直後、突然球団広報から「緊急発表があります」と報道陣に通達があった。

 番記者を集めた高木益一GM補佐が意を決して口を開いた。「江尻監督はかねてから体調を悪くしており、あす検査のため入院することになりました」。

 報道陣は“監督解任”かと色めきたった。しかし、高木補佐はそれを否定。1カ月前から江尻監督は原因不明の吐き気と胸の圧迫感を訴えていたが、病名も治療法もはっきりせず、症状も好転しないことから、この際思い切って入院して精密検査調をすることになったと、高木補佐は説明した。

 それでも報道陣は食らいつく。「このまま休養ということになり、その後は別の人でという話しになるのか」と質問。高木補佐は「あくまでも検査入院で健康上の問題。監督もストレスが溜まっていたのだろう。みなさんが期待しているような生臭いことはない」と否定。電撃解任の言葉は聞き出せなかった。

 95年はボビー・バレンタイン監督の下、2位となり10年ぶりのAクラス入りをしたロッテ。しかし、指導方針の違いから、広岡達朗GMはバレンタイン監督を1年で切った。後任はヘッドコーチを務めていた江尻。広岡GMが強く推した人物だった。

 しかし、開幕から低迷し5月10日に貯金4、2位が最高で。その後はずるずると転落。ファンも“ボビー信者”が多く、負けると批判の矛先は、江尻監督に向いた。

 加えてこの時期に江尻を悩ませていたのが「伊良部問題」だった。6月に伊良部秀輝投手のメジャー移籍希望が表面化した上に、この8月16日の西武戦で降板を言い渡されると、グラブと帽子を観客席に投げ入れるという露骨な監督批判をした。これだけの問題が重なれば、心労で体調不良になるのも無理はなかった。

 予定通り江尻監督は30日の西武21回戦(西武)から現場にもどった。復帰初戦を7―3で勝ち、ロッテ球団通算3000勝に。球団トップは江尻監督の来季続投を示唆した。

 が、その1カ月もしないうちに事態は急転。球団内部の広岡GMに対する反感は思いのほか強く、内部分裂を避けるためにも、GMの解任が決定。続投方針だった江尻監督も居残るわけにはいかず、フロントへ。新監督には横浜の監督を退いたばかりの近藤昭仁が決まった。奇しくも江尻→近藤の交代劇は、大洋の最後の監督が江尻で、横浜の初代監督が近藤という路線と同じに。なんとも不思議な96年のロッテだった。

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