日めくりプロ野球 2011年8月

【8月5日】2009年(平21) 新人では初!藤原紘通 初勝利は準完全試合

[ 2011年8月5日 06:00 ]

プロ初勝利を1安打完封で飾り、野村監督(右)から頭をなでられ笑顔を見せる楽天・藤原

 【楽天8―0オリックス】お試しで投げたスローカーブが最後まで有効だった。楽天のドラフト1位ルーキー左腕、藤原紘通投手はオリックス12回戦(京セラドーム大阪)で98球の完封勝利を挙げた。

 1軍登板8試合目でのプロ初勝利。「長かった。何度もチャンスをもらっていながら、期待に応えられなかった。本当に嬉しい」。お笑い芸人コンビ「オードリー」の春日の持ちギャグ「鬼瓦」に顔が似ていることから、そう呼ばれている24歳の表情が、初勝利の緊張感から解き放たれ、ようやく崩れた。

 野村克也監督もご機嫌だ。「言うことなしや。こんなにゆったり野球を見られたのは今季初めて。岩隈でもマー君でもないのがええな」。ノムさんが褒めちぎったのも当然だ。藤原は1安打無四球のシャツトアウト。準完全試合での1勝目だった。新人投手では87年9月29日のロッテ24回戦(川崎)で近鉄・阿波野秀幸投手が記録して以来、22年ぶり3人目の快挙だった。

 藤原は5回に先頭のタフィー・ローズ外野手に右前打を打たれたが、続く北川博敏一塁手を遊ゴロ併殺打に仕留め、打者27人残塁ゼロでの珍しい準完全だった。プロ野球史上10人目の記録だが、過去には300勝投手の小山正明(阪神)、杉浦忠(南海)、斎藤雅樹(巨人)ら偉大な投手の名前が並び、ルーキーが、しかも初勝利で記録するのは初。サウスポーとしても初めてのことだった。

 元々は最速146キロの真っ直ぐとスライダー、カットボールで勝負する投手。それが1軍昇格後はプロの打者には簡単に通用せず、大事な場面で痛打を浴び、0勝3敗。ややスリークォーター気味に投げるところから、中日の岩瀬仁紀投手似と期待されたが「投げ方が気にくわない。打者が合せやすい」と野村監督に酷評されたこともあった。

 一つの活路を見出したのが、カーブだった。社会人のNTT西日本時代からカーブは投げてはいたが、この日、ローズに安打を許した後に北川に投げた99キロのスローカーブで併殺に打ち取ると、後半はこれを組み込んだ。するとオリックスの打者は完全にタイミングを外され、直球を打っても凡打の山。特に8回からは6打者連続して力のない外野フライだった。「カーブでタイミングを外せているから、直球が速く見える。スローカーブが今日の勝因」と佐藤義則投手コーチも絶賛した。

 09年は5勝をマークし、楽天のクライマックスシリーズ進出に貢献したが、10年は1勝止まり。藤原は左ひじにメスを入れ、わずか4試合の登板に終わった。11年は7月末までで1軍登板なし。初勝利が印象に残る勝ち方だっただけに、ファンの期待も大きく、復帰が待たれる。
 

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