日めくりプロ野球 2011年7月

【7月9日】1998年(平10) ロッテ18連敗止まる 近藤昭仁監督「これから20連勝や」

[ 2011年7月9日 06:00 ]

18連敗で止まり、27日ぶりの笑顔をみせるロッテ・近藤昭仁監督

 【ロッテ9―6オリックス】最後の打者、オリックス・五十嵐章人三塁手が二ゴロ併殺打に終わると、ベンチで厳しい表情をしていたロッテ・近藤昭仁監督の眼鏡の奥の視線が初めて穏やかになった。

 6月12日オリックス11回戦(千葉マリン)の勝利から27日間、18連敗を重ねたロッテが久々に勝った。左の星野伸之投手に対し、7番まで右打者を並べたのが奏功し、5回までに9―1と大量リード。きょうこそ楽勝と思われた試合だったが、終わってみれば3点差。連敗のスタートとなった6月13日から、3連続黒星のエース小宮山悟投手が14安打を浴びながら、140球の意地の完投勝利だった。

 「長かったね。選手はつらかったと思う。もうこんな騒ぎはいいだろう。勘弁してくれよ」と近藤監督。前日の8日、18連敗した直後はいら立ち「人が困っているのを写真に撮って楽しいか」と、声を荒げたが、きわめて冷静に、連敗終了の感想を口にした。

 それでも元来、気の強い性格。難しいというより無理だと分かっていても、強気な言葉を口にせずにはいられなかった。「さあ、これから20連勝や!」。すでに精神安定剤の薬もあまり効き目がなくなっていた指揮官は、そう言って自らを鼓舞することで折れそうな気持ちをかろうじて支えていたのだった。

 神頼みもしたし、すがれるものはすべてすがった。7月3日、近藤監督が師とあおぐ、藤田元司元巨人監督が千葉マリンスタジアムを訪問。水晶でできた数珠を手渡され、その日から身に着けてベンチ入り。しかし、接戦の末、ダイエーに3―4で敗れ、ついに14連敗となった。球団スタッフが入手した、勝利の神様で知られる大阪府箕面市の「勝尾寺」のお守りも入手したが、ご利益はすぐにはなかった。

 14連敗翌日の7月4日の試合前、シーズン中では前例のない厄払いと勝運招福の祈願が選手、フロントら関係者が出席して行われた。ベンチにはお清めの塩に酒もまかれた。試合は打撃戦となったが、延長11回の末、7―10で競り負け。パ・リーグタイ記録となる15連敗となった。

 7月8日、「千葉ロッテマリーンズ後援会」が寄贈したのは、高さ62センチの「必勝だるま」。おりしもこの時期は参議院選挙の真っ最中。選挙に不可欠なだるまだけに、どこに行っても品切れ状態だったが、関係者が駆けずり回ってようやく1つを入手。近藤監督と選手のもとへ届けられ、その翌日にようやく勝利にたどり着いた。

 20連勝宣言した近藤監督の“気合い”に引きずられるように、ロッテは18連敗後に連勝したが、それも3でストップ。連敗後は38勝27敗1引き分けと好成績を残したが、18連敗はあまりにも重く、借金10で2年連続最下位。打率リーグ1位、防御率同2位での最下位だっただけに、監督の手腕が問われた。

 残り1年の契約を残し、近藤監督は辞任。横浜での3年間に続いて5年の監督生活で優勝どころか1度もAクラスにも入れなかったことに「もっと強いチームの監督をやりたかった」という最後の言葉は印象的だった。
 
 

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