日めくりプロ野球 2011年5月

【5月17日】2007年(平19) 35年ぶり更新 石井一久 江夏豊を超える最速1500奪三振

[ 2011年5月17日 06:00 ]

通算1500奪三振、花束を受けるヤクルト・石井一久
Photo By スポニチ

 【中日1―0ヤクルト】スライダーで中日・小笠原孝投手を三振に仕留めると、ナゴヤドームの3万人の観客はどちらのファンも関係なく、マウンド上の背番号16に惜しみない拍手を送った。

 ヤクルト12年目の左腕、石井一久投手が通算1500奪三振を記録した。プロ野球48人目の到達者となったが、1413イニングでの達成は、1972年(昭47)の阪神・江夏豊投手の1423イニングより10回も少ない、35年ぶりに記録を更新する史上最速の達成となった。

 メジャーで投げていた4年間の435奪三振は含まない今回の記録。3番目の速さで1500奪三振を達成した、広島・川口和久投手は1679回3分の2で達成で、奪三振よりイニング数が少ないのはこの石井と江夏だけだった。

 入団1年目のキャンプ。野村克也監督には「江夏よりは劣る。近いものはあるが」と評された石井。「すごい投手だから話をよく聞いておけ」と野村克也監督に紹介されたのが江夏だった。

 その江夏をほうふつさせたデビュー戦はルーキーイヤーの92年6月9日の大洋10回戦(横浜)。1イニングだけの敗戦処理登板だったが、山崎賢一中堅手から初三振を奪い、進藤達哉遊撃手は149キロのストレートで見逃し三振。初登板で2三振という堂々の顔見せとなった。

 「江夏さんは10年かからないで届いた。僕は12年もかかっている。比べるのは失礼」と口では言いながらも、江夏に負けず劣らず三振への美学を持っている。「力を誇示するには数字で表せるのがいい。投球スタイルは変わっても三振の取り方は知っているから」。

 ストレートで押しまくった若手のころとは違い、30歳を過ぎると緩急を使って打者を料理する投球に、かつてバッテリーを組んでいた古田敦也捕手兼任監督は「僕もだいぶ受けさせてもらったけど、年々進化していくところがすごい」と敬意を表した。

 しかし、試合後の石井に笑顔はなかった。4回1死一、二塁で5番森野将彦左翼手に中前適時打を打たれ、9奪三振完投も敗戦投手でチームは7連敗となった。

 「本当はあそこで三振を取りたかった。走者が入るときは打球を前に飛ばせさせたくない。そういう投手って怖いじゃないですか」。三振の効力を誰より知っているからこそ、ここぞの場面で仕留められなかったことが悔しかった。

 次の目標となる2000奪三振はいつになるのか。江夏は2072イニングで達成している。11年5月16日の時点で、石井は1909回3分の1を投げ、1952奪三振。今回も江夏を上回るペースだ。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る