日めくりプロ野球 2011年5月

【5月1日】1996年(平8) 32分中断 ガルベス“危険球”に山崎武司突進!大乱闘!

[ 2011年5月1日 06:00 ]

98年7月31日、甲子園での阪神戦で退場を命じられ、暴れるガルベス(中央)
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 【巨人9―4中日】5回だった。中日の先頭打者、6番山崎武司左翼手に巨人のバルビーノ・ガルベス投手が投げたストレートは頭部をあわや直撃しそうな危ないボールだった。

 「オリャー!」。間髪入れず、バットを放り投げた山崎がマウンドへ突進。ガルベスも左手からグラブを外し、ファイティングポーズをとって前へ。両軍ベンチにいた選手も「それ行け!」とばかり、“現場”へ急行した。

 ガルベスの左エルボーが山崎の下あごに入った。山崎はガルベスに殴りかかろうとするが、後ろから巨人・落合博満一塁手が止めに入り、空振り。その間に両軍の選手が周りを囲み、ガルベスと山崎の対決から別のいざこざへと発展していった。

 中日ベンチの怒りは簡単には収まらない。金村義明内野手はマスコットバットを持ち出し“参戦”。これを見た巨人・淡口憲治打撃コーチが顔を真っ赤にして激怒。「おい、バットを捨てんか!」とバットを奪い取った。島野育夫コーチはもっと過激だった。山崎が投げ捨てたバットを持ち、近寄る巨人選手を威嚇。振り回すことさえあった。

 ナゴヤ球場は完全な無法状態になった。とりあえず、山本文男球審はガルベスと山崎に退場を命じた。どちらが悪いというのではなく、喧嘩両成敗という考えでの2人の退場だった。

 これに納得しなかったのが、巨人・長嶋茂雄監督だった。「ぶつけていないガルベスがなぜ退場なんだ。向こうから威嚇してきたじゃないか」。守っていたナインをベンチに引き上げさせ、強硬な態度をとった。32分間の中断。巨人は連盟提訴という形で試合続行を承諾したが、長嶋監督は5点差で勝利した後も険しい表情。番記者の質問にもろくに答えなかった。

 中日側にも言い分ある。頸部挫傷と口の中を切った山崎は「あのバカが明らかに狙って投げてきた。踏み込んでいたら頭にぶつけられていた。これで2日続けてだぞ。絶対に狙っていたんだ。腹が立つ」。前日4月30日の4回戦。山崎は岡島秀樹投手から7回に左ひじに死球を受けた。連日の災難に怒りは収まらなかった。

 大乱闘の伏線は半月前にあった。4月16日、東京ドームでの1回戦。9回、中日の1番ダネル・コールズ三塁手に西山一宇投手が背中にぶつけた。それまで本塁打を含む3安打2打点と大当たりの助っ人に“当てた”ことで、一触即発のムードが漂った。そして30日の山崎のデッドボール。さらにこの大乱闘が起きる直前には、先制打を打っていた落合もぶつけられていた。

 起こるべくして起きた大乱闘に、長嶋監督と一瞬つかみ合いになった中日・星野仙一監督は試合終了後、言い切った。「乱闘?あれも野球のうちや。そんなつまらん話聞きにきたのか。オレは帰る」。

 翌2日、川島廣守セ・リーグ会長は、長嶋監督に厳重戒告、ガルベス、山崎両選手には厳重戒告と罰金10万円の処分を科した。

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