中川充四郎 パ・リーグびいきデス

投手のガッツポーズや雄叫び 打者への気配りも忘れずに

[ 2011年11月20日 06:00 ]

 沢村賞を受賞した楽天・田中将大に、選考委員から派手なガッツポーズなどの自粛要請が出された。たしかに、日本ハム・ダルビッシュ有とともに、相手打者を抑えた際の雄叫びや、ガッツポーズをよく目にする。気合の表れなのだが、回数が多く度を越すとあまり良い感じを受けないこともある。

 清原和博氏は「投手の雄叫びは、打者に向けてはダメ。吠えるなら、打者以外に向かってやるのがマナー」との見解を示す。闘志むき出しの行動は真剣勝負ならではだが、やはり相手の気持ちをくむのも大事ということだ。

 この投手の派手なパフォーマンス、いつごろからなのだろうか。西武・渡辺監督は「アニマル(レスリー)からじゃないですか。あれも派手でしたからね」と振り返る。アニマルとは1986、87年の2シーズンだけだったが、阪急(現オリックス)の抑え投手として活躍し、ピンチをしのぐと、マウンド上で吠え、相撲の手刀を切るポーズで喜びを表現していた異色の外国人投手だった。

 その後、投手のガッツポーズで私が印象深いのは、石井貴氏(現西武投手コーチ)。ここ一番でのパフォーマンスは観客を魅了したものだった。そのきっかけを聞いてみると「大事な場面、自分もそうだけど、後ろで守っている野手の生活がかかっている気持ちから、自然に出ました」とのこと。「ただ、何度もやってはいけないですね。1試合に1回ぐらいが格好いいでしょう」とも付け加えた。

 来季から初めて1軍選手の指導にあたる石井コーチ。自軍の投手が相手選手に失礼と思える態度をとったら「即、注意します」と。観客に喜んでもらうのがプロ野球選手。時と場合にもよるが、投球以外で不快感を与えては本人にとってもマイナスになってしまう。

 2004年の西武―中日の日本シリーズ。レギュラーシーズンわずか1勝だったが、第1戦、7戦と2勝を挙げMVPに輝いた「異色の経験」を持つ石井コーチ。今季不調に終わった涌井や岸をどんな指導で再生させるかが、楽しみだ。この2人、マウンド上ではほとんど表情を変えない。

 ◆中川 充四郎(なかがわ・じゅうしろう)1951年(昭26)、東京生まれの60歳。駒大卒業後に商社勤務を経て都内のマクドナルド4店舗で店長を務める。オーディションに合格し、82年から08年まで文化放送ライオンズナイターでコメンテーター。

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