関西大学野球リーグ

【関西六大学野球のキーマン】大院大・中島 カーブ“匂わし”緩急でライバルなで斬り

[ 2021年4月23日 23:35 ]

大院大・中島直人

 指揮官直伝のボールで、優勝戦線に名乗りを上げる。最速144キロを誇る大院大の左腕・中島直はリーグ戦1勝だが、新エースとしての自覚をにじませる。

 「他の投手の力も必要になりますが、やっぱり完投したい。初回から出し惜しみせず、全力でいこうと思っています」

 スライダーの精度に難があった左腕の転機となったのが米沢秀典監督が就任した19年春。シーズン個人最多勝利9と最多完投勝利9(いずれも84年秋)の連盟記録を持つ指揮官から「カーブを投げてみたらどうか」と握りや投げ方を教わり、キャッチボールを含め一日100球を投げ続けてものにした。

 19年春の大経大戦では勝ち星こそつかなかったが先発し7回2失点の力投。昨年までは絶対的エース打田の陰に隠れていたが「昨年の後半からかなり良くなってきた」と指揮官も成長を認める。

 コロナ下で昨年12月13日から2月5日まで全体練習はできなかったが、淀川の河川敷でDeNA・今永を参考にフォーム矯正に取り組み下半身主導の形にした。再開後は「投げる体力は、投げることでつけるしかない」と一日100球以上の投球練習でスタミナ面の不安を解消。「最高球速を更新して、最低でも3勝したい」と鼻息は荒い。

 2年生から続けているアルバイトはスーパーの水産部門の清掃業務。「最初はにおいも気になりましたが、慣れました」と笑う。野球でも“クサいところ”に決めきり、10年春以来の頂点へ突き進む。

 ◆中島 直人(なかしま・なおと)2000年(平12)3月19日生まれ、大阪市出身の21歳。西三国小2年からソフトボールを始める。三国中では軟式野球部に所属。大院大高では2年春からベンチ入りし同年秋からエースも甲子園出場なし。大院大では1年秋からリーグ戦に出場し通算15試合で1勝2敗、防御率4・88。1メートル70、72キロ。左投げ左打ち。

 ●大院大予想オーダー● 
(6)秋 田(2=金沢龍谷)
(5)安 東(3=岐阜第一)
(2)三 藤(3=延岡学園)
(3)黒川海(4=尽誠学園)
DH高 島(3=東大阪大柏原)
(9)宮 原(2=海星)
(7)清 水(3=川西明峰)
(8)杉 田(2=敦賀気比)
(4)広 田(2=盈進)
 P中島直(4=大院大高)

 ▼大院大・米沢秀典監督 打田が抜け投手陣は、よりつないでいくことになる。守備についてはあまり心配していない。打線は1番打者が鍵。最低でもAクラスに入り、勝つ喜びを味わわせてあげたい。

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