関西大学野球リーグ

【関西学生野球のキーマン】関学大・黒原 ラストイヤーはフル回転宣言 “最低”8つの貯金を

[ 2021年4月23日 23:54 ]

関学大・黒原拓未
Photo By スポニチ

 「執念~関西をひっくり返せ~」というチームのスローガン同様、自身の通算勝敗もひっくり返す。150キロ左腕の関学大・黒原は3年秋までのリーグ戦で8勝15敗だが、ラストイヤーで貯金に転じるつもりだ。

 「数字が残っていないし、結果に出ていない。とにかく、勝つしかない」

 今春に懸ける思いは強い。昨年11月に左肘の遊離軟骨除去手術を受けた。春季リーグ開幕まで約5カ月。「やるなら今しかない。取っておいて損はない」と踏み切った。3月のオープン戦での実戦も順調で「1戦目、あれば3戦目で全て投げるつもり」とフル回転を宣言した。昨秋は意識的に体重を増やしたが「動きづらい感じがあった」といい、77キロを維持して戦いに挑む。

 原動力はプロへの思いだ。智弁和歌山3年のとき、春季近畿大会で大阪桐蔭に敗れた直後。チーム関係者から、プロスカウトが進路を問い合わせてきたことを聞かされた。入学当初は球速120キロでプロは夢のまた夢。すでに関学大への進学が決まっており、大学から企業への就職という将来像を描いていたが「大学で活躍して、ドラフト指名される選手になる」と決意が固まった瞬間だった。

 そのためにも、今春は圧倒的な成績が必要。13年秋を最後にリーグ優勝から遠ざかるチームを浮上させることが、自らの悲願成就にもつながる。50メートル走の練習でも「55メートルを走れば50メートルは全速力で駆け抜けられる」と平然と言ってのけるストイックな姿勢も魅力。チーム順位も個人成績もきれいにひっくり返す。

 ◆黒原 拓未(くろはら・たくみ)1999年(平11)11月29日生まれ、和歌山県海南市出身の21歳。日方小1年から日方スポーツ少年団で野球を始め、海南中では軟式野球部に所属。智弁和歌山では1年秋からベンチ入りし2年秋からエース。3年夏に甲子園出場。関学大では1年春からリーグ戦に登板し36試合で8勝15敗、防御率3.37。1メートル73、77キロ。左投げ左打ち。

 ●関学大予想オーダー●
(9)中村晴(4=三田学園)
(8)中 隈(3=明徳義塾)
(3)大 谷(4=大社)
(7)杉 園(4=明豊)
(5)高 波(3=川越東)
(6)大 石(4=静岡)
(4)石 川(4=川之江)
(2)佐藤海(3=市尼崎)
(1)黒 原(4=智弁和歌山)

 ▼関学大・本荘雅章監督 リーグ優勝を目指す。投手はエースの黒原がどれだけ投げてくれるか。捕手の佐藤海も昨年いい経験を積んだので、バッテリーで勝利をつかんでほしい。打撃陣はレベルアップした大谷が中心。

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