巨人M8 戸郷が自己最多タイ3年連続12勝 念願のビールかけへ「チーム一丸で」

[ 2024年9月20日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―0DeNA ( 2024年9月19日    東京D )

<巨・D 22>ファンの声援に応える巨人・戸郷
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 首位の巨人は19日、DeNA戦で投打がかみ合って6―0で快勝した。先発の戸郷翔征投手(24)は8回4安打無失点に抑え、3年連続で自己最多タイの12勝目。長嶋茂雄終身名誉監督(88)も激励に訪れた中、負ければ前日に初点灯させた優勝マジックが1日にして消滅していた一戦で3連勝(1分け挟む)を決め、1つ減らして「8」とした。残り10試合。歓喜の瞬間へ、一丸で向かう。

 ベンチに戻り、ねぎらいの声をかけられた。戸郷は歩み寄った阿部監督から「お疲れさん。次の登板に備えてくれ」と言われグータッチを交わした。優勝マジックが初点灯してからの初戦で8回4安打無失点に抑え、3年連続で自身最多タイとなる12勝目。充実感に浸った。

 「ゼロに抑えられてよかった。後半の勝ちが、どれだけ大きいか分かっている。そういうピッチングができていることが一番」

 いつもよりスピンをかけた。「フォークよりスライダーが良かった」と多投。普段、スライダーは得意のフォークより1割少ない平均18%だが、この日はフォーク30球に対し、スライダー25球。118球中、21%を占めた。4回1死一塁ではオースティンからスライダーで空振り三振。カウント球にも決め球にも駆使した。8回を投げシーズン投球回は自己最多更新の173。7三振を奪い、リーグトップの奪三振数は152。これで勝負の9月は3戦3勝で計21回を投げ無失点で、防御率は1・98になった。

 ビールをかけられたことがない。プロ初登板初先発した1年目の19年9月21日にチームはリーグ優勝。同じDeNAを相手に4回2/3を2失点と好投した。だが、当時は19歳。祝勝会に「未成年です!お酒をかけないでください!」と書かれたボードを首からさげて参加し、先輩から炭酸水300本を浴びた。「みんなかけにきてくれて、一瞬で終わっちゃった。取り残された感があった」。9勝してリーグ連覇に貢献した20年はコロナ禍でビールかけはなし。「みんなでかけ合いたい」と待ち望む。

 先発投手の役割を果たし、延長12回の末に引き分けに終わった前日に7投手を注ぎ込んだ救援陣を休ませた戸郷。世界一に貢献した昨年3月のWBCでは甘いシャンパンをかけられた。次に味わいたいのは、ほろ苦いビールの味だ。「一試合一試合、落とせない試合が続く。チーム一丸でやっていけたら」。いよいよ残り10試合。思いっきりビール瓶を振る歓喜の瞬間は、もうすぐだ。 (青森 正宣)

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