「3戦連続V撃」阪神・右京で首位巨人に1.5差 難敵中日・宏斗撃ち、逆転V諦めん5連勝

[ 2024年9月19日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神8ー3中日 ( 2024年9月18日    バンテリンD )

<中・神>岡田監督(右)とハイタッチをかわす阪神・前川(撮影・北條 貴史)
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 阪神は18日、中日戦(バンテリンドーム)に8―3で勝利し、5連勝で貯金最多更新の12とした。前川右京外野手(21)が2回に中前へ先制打。難敵・高橋宏斗投手(22)攻略への突破口を開いた決勝打となった。球団では16年の江越(現日本ハム)以来となる3試合連続の勝利打点。首位・巨人は引き分けに終わり優勝マジックナンバー「9」が初点灯。それでもゲーム差を1・5に縮めた。逆転Vへ望みをつなげる猛虎の9月快進撃を若虎がけん引する。 

 前川が難敵攻略への突破口を開いた。0―0の2回1死二塁からの第1打席。カウント1―1から先発・高橋宏の外角153キロ直球を捉えた。

 「(ストライク)ゾーンにきた球は積極的にスイングしていくつもりで。相手はいい投手なので先に点が取れてよかった」

 痛烈な一打は中前への先制打だ。試合前時点で今季バンテリンドームでは11試合で8勝1敗で6連勝中、防御率0・57を誇っていた相手エースから放った殊勲打。当時、中京大中京で1学年上の好右腕とは智弁学園時代にも対戦した。新型コロナ禍で中止となり、夏の甲子園に代わる20年の交流試合では3打数1安打。「めちゃめちゃいい投手なので打ちたい」。プロ入り後もライバル視していた相手。試合前時点で今季対戦も7打数1安打と苦戦していた。しかし若虎の勢いが難敵を飲み込んだ。「2打席目と3打席目はもったいなかった。ああいう打席をなくせるように頑張ります」。価値ある一打だけに満足せず、反省の言葉を並べる姿が頼もしい。

 実は岡田監督の助言でよみがえった。8月下旬から打撃不振に苦しんでいた。月をまたいだ今月8日、神宮での打撃練習中に声をかけられた。時折、スイング動作を交えながら打てない原因を問われた。「気持ちが先行しすぎて、バットが思うように出てきていません」。指揮官は答えも「その通りや」だったが、その言葉に続きがあった。「焦りすぎや。ここまで1軍でやってきて自信を持ってやったらええねん」。じっくり会話をしたのは初めてだった。金言を授かったことで迷いがなくなった。「変な力みが抜けた感じがしました」。その日は4打数無安打に終わっても、代打出場した11日以降は15打数7安打、1本塁打、4打点と復調。球団では16年以来、8年ぶりとなる3試合連続勝利打点が光る。シーズン40打点にも到達。ドラフト制以降、球団高卒3年以内でのシーズン40打点以上は92年の新庄剛志以来で、左打者では76年の掛布雅之以来となった。

 首位・巨人が引き分け優勝マジック9が初点灯しても、ゲーム差は1・5に縮めた。「結果を残せるように頑張ります」。逆転Vへ望みをつなげた。9月の快進撃を支える背番号58が最後まで猛虎打線をけん引する。(石崎 祥平)

 ○…前川(神)が9月15日のヤクルト戦から3試合連続の勝利打点。阪神では16年8月12~14日の中日3連戦(京セラドーム)で江越が記録して以来8年ぶり。前川は6月16日のソフトバンク戦がプロ初の勝利打点。今季8度目は佐藤輝、森下の12度に次いで、近本と並ぶチーム3位。

 〇…岡田監督は試合後、好投手の中日・高橋宏を攻略したことについて聞かれると独特の言い回しでこの1勝の大きさを強調した。「別にピッチャーが誰とか俺ひと言もそんなん言うてないやんか。今日は中日に一つ勝てばええだけの話やんか。ええピッチャーやったら今日負けるんか?ファームのピッチャーが来たら打てるんか?そういうことやんか」。激しい優勝争いの中、投打がかみ合いチームはさらに勢い付きそうだ。

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