阪神・秋山の次のステージへの出発と活躍を願う 「お疲れさま」ではなく「引退おめでとう」

[ 2024年9月15日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神4―3広島 ( 2024年9月14日    甲子園 )

21年、練習を終えたガンケル(奥)が秋山を抱きしめる

 【畑野理之の談々畑】阪神の秋山拓巳が13日に今季限りでの現役引退を表明し、14日付のスポニチでは終面で大きく報じられていた。同学年のチームメート、原口文仁、梅野隆太郎、岩崎優らが「15年間、お疲れさま」とねぎらっていた。そして海の向こう、米球界からもジョー・ガンケルから「アキ、引退おめでとう」とメッセージが届いていたと載っていた。

 ガンケルは20年からの3年間、阪神に在籍。23年からソフトバンクに移籍し、今年は大リーグのツインズ傘下でプレーしていた。阪神では主に先発ローテーションで回り、計16勝。12月で同じ33歳になる。同じ先発投手の秋山とは気が合った。チームは別々になってからも交流は続いていたのだという。

 ガンケルからの「おめでとう」のフレーズが気になっていた。向こうは「お疲れさま」とは言わないんやなあ…。取材・執筆をしたスポニチ阪神担当の遠藤礼と石崎祥平に経緯を聞いた。鳴尾浜で秋山と3人で談笑していた時に、秋山が携帯電話のLINEに届いていたガンケルからの英文メッセージを、球団通訳に翻訳してもらっていた。確かに「congratulation on your retirement」とあった。その通訳から、米スポーツ界では現役引退する選手に次のステージへの出発と活躍を願う意味も込めて「おめでとう」と伝えるのが習わしなのだと、教えられていた。

 この日の広島戦は3点を追う苦しい展開。7回に梅野の押し出し四球でまず1点。相手失策で2点目をもぎ取り、代打・原口の左前打で追いついた。直後の8回は岩崎が相手の中軸を無失点に抑えた。梅野は3回にも右前打を放ち1安打1打点、守っても才木浩人からの計4投手を好リードして、チームの9回はサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 昨年、18年ぶりのリーグ優勝を決めた記念日「9・14」に、秋山世代が大きく貢献しての劇的白星は単なる偶然か。原口が打って、梅野が守って、岩崎が抑えた――。3選手がそれぞれのプレーで示した「アキ、おめでとう」のメッセージだったのだと思う。

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