低迷西武の希望の光 ドラ1武内、新人王へラストスパート「目の前の試合に集中を」

[ 2024年9月12日 08:00 ]

8日、ソフトバンク戦に先発した西武・武内(撮影・成瀬 徹)
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 目標とする新人王へ、正念場を迎えている。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉投手(23)は、今季ここまで7勝6敗、防御率2・35。最有力候補ではあるが、8月11日の楽天戦を最後に1カ月以上も白星から遠ざかる。それでも「プロなので疲れは言い訳にしたくない。ランニングを増やしたり、ベストな調整方法を見つけていきたい」と体にムチを入れ前を見据えている。

 開幕当初は快進撃を続けた。新人左腕ではプロ野球史上初となる全て先発での開幕5連勝を記録。新人とは思えないマウンド度胸が魅力で、ピンチでも最速154キロの直球で内角を強気に攻めた。地元・福岡での初勝利を飾った7月4日のソフトバンク戦では主軸の、近藤、山川を無安打に封じるなど8回4安打無失点。圧巻の投球でスケールの大きさを見せつけた。

 同じリーグで対戦が増え、データも集まる終盤戦。8日のソフトバンク戦では2回2死二、三塁で甲斐に6球連続の直球勝負を挑んだ。結果はフルカウントから内角を狙ったボールが真ん中に入って中前2点打。「抑えてやろうという気持ちだったけど、力みもあって甘く入った」と決勝点を与えた1球を反省した。これまで、決め球として多投してきたチェンジアップ、ツーシームを使わずに直球で押し切る選択したが、裏目に出た。1球の重さ、相手正捕手との駆け引き…。ルーキーには全ての経験が成長への糧となる。

 新人王のライバルは6勝の日本ハム・金村、5勝の楽天・古謝、中継ぎで40試合以上に登板しているオリックス・古田島が新人王候補。周囲の期待も感じてプレッシャーもあるが「新人王は最後についてくるもの。目の前の1試合にどれだけ集中できるかが大事」と武内。最下位が確定したチームの中でも希望の光として腕を振ってきた左腕が、ラストスパートをかける。(記者コラム・福井 亮太)

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