阪神5差崖っ縁…岡田監督「バントだけやんか」好機での木浪の失敗嘆く もう昨季に並んだ53敗

[ 2024年8月25日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-2広島 ( 2024年8月24日    マツダ )

<広・神>7回、木浪はスリーバント失敗し、走者を進められず(撮影・北條 貴史)
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 崖っ縁だ。阪神は24日、広島戦(マツダ)で1―2の惜敗を喫し、首位とは再び5ゲーム差に離された。1点を追う7回無死一、二塁で木浪聖也内野手(30)の犠打失敗が響いてこの回無得点に終わり、岡田彰布監督(66)は「バントだけやんか」と嘆いた。今季は相手先発の大瀬良とは5度目の対戦でチームは4敗目。連覇を狙う猛虎に暗雲が垂れ込めてきた。

 あまりにも痛いミスがあまりにも痛い1敗に直結した。1点を追う7回無死一、二塁で、木浪がスリーバント失敗。最大の逆転のチャンスで無得点に終わった。試合後、岡田監督は「バントだけやんか。それだけや。いや、バントだけやって。だから。そういうことやんか」と同じフレーズを2度繰り返し、球場を去った。

 最大の敗因。それは重圧がかかる場面で起こった。一塁手・坂倉がチャージをかけ、3番手・島内は、剛速球に加えて荒れ球が持ち味のため、難度は高かった。バントの構えで空振り、ファウル、ファウルと対応できないまま万事休す。直後の代打・糸原が距離十分の左飛を放っただけに、犠打失敗の痛さが浮き彫りになった。満塁での勝負強さと堅実な守備で何度もチームを支えてきた30歳は「あそこが全てです。しっかり練習します」と悔しさを押し殺した。

 勝負の8月に入って、この試合で4度目の1点差負け。逆に1点差で競り勝ったことは1度もない。1点差ゲームに27勝16敗と強かった昨季から一転、今季は21勝19敗と苦しんでいる。この日のような勝負どころのミスが、緊迫したゲームでの敗戦に結び付いている可能性がある。

 岡田監督にすれば、この日は勝負手を繰り出していた。プロ未勝利の門別を先発に送り込んだ。秋山、小園、坂倉ら左の好打者がそろうコイ打線を封じるために、安定感があるビーズリーを翌週に回してまで高卒2年目の左腕を抜てきした。5回2失点の内容で、その策は成功したものの、肝心の打線が沈黙した。先発・大瀬良から打った安打は森下の2本のみ。対戦した今季の5試合は、これで4敗1分けになった。ノーヒットノーラン右腕にカード3連勝の夢を打ち砕かれた。7回は糸原、原口の連続代打も不発に終わり、116試合目で負け数が昨季と同じ53に達した。

 首位・広島との直接対決は、25日を入れて残り4試合しかない。それにもかかわらず、5ゲーム差に広げられた。まさに土俵際。王者の意地が、今こそ必要だ。(倉世古 洋平)

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