DeNA・東 8回零封で9勝目 天敵・小園に意地の全11球直球勝負で3打席連続左飛斬り

[ 2024年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA6-0広島 ( 2024年8月13日    マツダ )

<広・D>9勝目を挙げファンの声援に応える東(撮影・長嶋 久樹)
Photo By スポニチ

 意地、負けん気、勝利への執念…。全てを白球に込め、炎の直球勝負を演じた。DeNA・東が苦手としていた小園に計3打席、全11球の直球勝負で全て左飛。8回3安打無失点で9勝目を手にして「序盤から出力が出ていたので変化球で逃げて打たれるよりはこれでよかった。小園選手を抑えたこと。それが今日の勝利につながった」と言った。

 試合前時点で小園には今季17打数12安打で打率.706。12安打中9球が変化球を打たれたものだった。内訳はカットボール3、チェンジアップ2、スライダー2、カーブ2。武器の曲がり球を、ことごとくはじき返されてきた。昨季に16勝3敗で最多勝と最高勝率に輝いた左腕にとって、目を疑う惨状。だから決めた。首位を走るチームの4番に座る天敵を直球でねじ伏せる――。それが自らに課したミッションでもあった。

 この日の初対戦となった2回から直球で攻める。4球目の外角145キロで抑えた。5回は2球目の143キロ、そして最後の対戦となった7回は5球目の147キロ。全て差し込み、左打席から逆方向への平凡なフライとなった。この強気な姿勢が他の選手との対戦にもつながり、6回1死までは完全投球。6回に2安打を喫したが、小園封じこそが勝利の要因だった。

 友の存在にも勇気づけられた。同学年の阪神・高橋が、11日の広島戦で1025日ぶりに1軍で復活勝利。「同じトミー・ジョン手術の仲間。僕の中では彼がNo.1左腕」と刺激を受け、この日の快投につなげた。3位・阪神とまだ4.5ゲーム差だが、CS進出を諦める時期ではない。

 東は「今日は肩、肘が飛ぶんじゃないかというくらいだった。その中でストレートを生かすことができた」と言葉に力を込める。まさに一球入魂。エースが、戦い方を示した。(大木 穂高)

 ▼DeNA・三浦監督(小園に直球勝負で完勝した東について)これが毎回通用するわけではないが、バッテリーでうまく攻めた

 ▼広島・小園(東を打てず、9回もウィックに空振り三振で4打数無安打)それが実力。何とか頑張るだけ。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2024年8月14日のニュース