くふうハヤテ 元ソフトバンク・藤岡好明は最年長投手として充実の39歳シーズンを過ごす

[ 2024年8月14日 07:00 ]

くふうハヤテの投手として現役を続ける藤岡好明(本人提供)
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 【あの人に逢鷹】今季からウエスタン・リーグに参入した「くふうハヤテ」で最年長投手として腕を振っているのが、2006年から8シーズンの間、先発や中継ぎで活躍した藤岡好明投手(39)だ。DeNAの2軍コーチ、独立リーグのコーチ兼任投手を経ての再挑戦。現在につながってくるホークス時代の思い出も振り返った。

 ここまで14試合に登板し、2セーブ、防御率0・71(12日現在)。藤岡は「充実感はありますね。この年齢でもしっかりやれば変化できることはたくさんあるんだなと感じています」と笑みを浮かべた。

 1年目だった06年から当時のパ・リーグ新人最多記録となる62試合に登板し、在籍8シーズンで255試合に投げた。その後は日本ハム、DeNAでプレーし、20年をもって現役を引退した。21年からはDeNA2軍投手コーチを務めた。

 しかし、自身の思いは完全に燃え尽きてはいなかった。後悔なくコーチを受けたつもりだったが、それが本心ではなかったと気付く。「消化不良の中で終わりたくなかった」。振り返れば引退した年はコロナ禍の真っただ中。各選手とも条件は同じだが、チームとしての練習が制限されるなど変則的なシーズンでもあった。自分の中でとことんやり切ったとは思えなかった。

 コーチとしての視野を広げたい思いもあったことから、投手兼任コーチとして九州アジアリーグ「火の国サラマンダーズ」で現役復帰。2シーズンを過ごした上で「改めてもう一度、選手として目いっぱい24時間を使い切りたい」と新設の球団で一人の投手としての再挑戦を決意した。

 ホークス時代の経験が現在につながっている。今でも印象に残っている思い出については次のように口にした。「もちろん投手の先輩からも多くのことを教わりましたが、野手の先輩からも教わったのがホークスでした。野手目線からのアドバイスを多くもらった。野球を具体的に考えるきっかけになりました。そのおかげで今もチャレンジ、トライできていると思ってます」。特に当時キャプテンだった小久保監督からは時には厳しく、時に温かくマウンドでの姿について教わった。

 初登板は5月6日の古巣ソフトバンク戦(ちゅ~る)。1イニングを1安打無失点に抑えた。「いろいろと縁も感じました」。まだまだ一人の投手として日々成長を目指している。その姿は若いチームの手本となっている。 (木下 大一)

 ◇藤岡 好明(ふじおか・よしあき)1985年(昭60)3月12日生まれ、大阪府出身の39歳。宮崎日大、JR九州を経て、05年大学・社会人ドラフト3位でソフトバンクに入団。その後、日本ハム、DeNAでプレーし、20年オフに一度現役を引退。NPB通算は337試合22勝16敗1セーブ、防御率3・78。1メートル77、83キロ。右投げ左打ち。

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