西武・育成出身3年目の菅井 7回零封プロ初勝利!チームの連敗8で止め「本当にうれしい」

[ 2024年7月16日 05:30 ]

パ・リーグ   西武3―0オリックス ( 2024年7月15日    ベルーナD )

<西・オ>西武・菅井(撮影・白鳥 佳樹)
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 西武に救世主が現れた。育成出身左腕の菅井が2度目の先発で、7回3安打無失点でプロ初勝利。球団の育成出身初となる先発白星で、チームの8連敗以上をプロ初勝利でストップしたのは79年の松沼博久以来45年ぶり。「ベルーナのファンの前で初勝利できたことが本当にうれしい」とお立ち台で笑った。

 6月に支配下登録をつかんだ3年目の長身左腕は、5回1死まで完全投球。5回1死、紅林に初安打となる左中間への二塁打を浴びても冷静だった。最大のヤマ場は1―0の7回1死二、三塁。紅林を直球で中飛、代打・杉本は内角直球で空振り三振に仕留め「絶対に1点を守り切ってやろうという気持ちだった」と物静かな男が珍しくマウンドで吠えた。

 成長のヒントを与えてくれたのは昨年まで2軍投手コーチだった内海現巨人投手コーチだった。支配下登録された6月2日は巨人との交流戦。恩師に直接報告し、抱き合った。投球フォームでは「軸足で立つ」大切さを学んだ。投球時にフラミンゴのように左足一本で立つことで体重が体の中心に集まり、リリース時に一気に解放することで、同コーチをほうふつさせる力感のないフォームから伸びのある直球が生まれた。「内海さんに活躍する姿を見せたい」と語っていた菅井が成長を示し、どん底のチームに光が差し込んだ。(福井 亮太)

 ◇菅井 信也(すがい・しんや)2003年(平15)6月28日生まれ、山形県南陽市出身の21歳。赤湯小3年時に赤湯ワイルドキッズで野球を始める。赤湯中では軟式野球部に所属。山本学園では1年夏からベンチ入りし、秋からエースナンバーを背負った。3年夏は15イニングで計30奪三振。21年育成ドラフト3位で入団。今年6月2日に支配下登録された。1メートル83、80キロ。左投げ左打ち。

 ≪母・由紀子さんが明かす幼少期「負けると悔しさが顔に出るタイプ」≫母・由紀子さんが菅井の幼少期を明かした。口数が少なく、多くを語るタイプではないが「昔から負けず嫌いな子。試合で負けると悔しさが顔に出るタイプ」。幼少期から運動神経が良かった。公園に自転車の練習に連れていくと「自転車に乗るのも30分もかからないうちに乗れるようになって、びっくりしました」と目を丸くした。高校時代は毎朝5時に起きて弁当を作り、成長を支えた。活躍する姿に「疲れが吹っ飛んでいった感じです。ずっと仕事が忙しかったけど、頑張っている姿はうれしいです」と感慨深げだった。

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