「伝統の一戦」巨人と阪神のOB対決 令和によみがえった昭和の名勝負に3万5000大観衆沸いた

[ 2024年7月16日 05:15 ]

伝統の一戦~レジェンズOB対決~   巨人3―2阪神 ( 2024年7月15日    東京D )

<巨・神 OB戦>2回、江川から安打を放つ掛布(撮影・藤山 由理)
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 球団創設90周年を迎えた巨人と、阪神のOBによる「伝統の一戦~レジェンズOB対決~」が15日、東京ドームで開催された。14年以来10年ぶりのOB戦は、巨人が3―2で競り勝った。デーゲームでは巨人が0―2で阪神に敗れたが、シーズン中では異例となる「ダブルヘッダー」開催でOBが雪辱。往年の名プレーヤーたちの奮闘で3万5000人の観衆を沸かせた。

 見せ場は最終回の5回2死に訪れた。巨人OBの監督を務めた中畑清(70=スポニチ本紙評論家)が「代打・オレ」を告げた。藤川球児(43)から左前打を放ち、一塁ベース上で両手を突き上げた。

 「私はやっぱり天才だなと。あそこで打てる選手いないって。球児が打たせてくれた。良い時間、最高の思い出をありがとうございました」と上機嫌でマイクを握った。

 デーゲームの公式戦に続き、ナイターでも伝統の一戦が開催され、昼に公式戦を観戦した3万5000人はそのままレジェンドのプレーも見守った。通常のスタメン発表前に「レジェンドスペシャルスターティングメンバー」が発表され、「4番・ファースト・王」のコールが。参加予定になかったソフトバンク・王貞治球団会長(84)がサプライズで姿を表すと、大歓声が上がった。一塁ベンチで試合終了まで見届けた王会長は「巨人―阪神戦だからね。昼間も盛り上がったけど、(OB戦は)勝敗を度外視して盛り上がったね」と喜んでいた。

 「4番・三塁」の前監督・原辰徳(65)は2打数無安打だったが、三塁守備では糸井の強烈なゴロをさばく好プレー。「お客さんが残ってくれて、たくさんの中でやれた。改めてファンの人たちに支えられていると思う」と感謝した。デーゲームでは巨人が敗れていたが「1勝1敗だよ」と笑顔。OBの奮闘を現役選手への激励に変えた。

 2回には江川卓(69)と掛布雅之(69)のライバル対決が実現した。デーゲームでは5年ぶりに中継でダブル解説も務めていた2人。掛布が鋭いスイングで見事な中前打を放つと大歓声が注がれた。「お客さんがこれだけ残ってくれて、マウンドに江川がいて、いい緊張感の中でやらせてもらった」と掛布。昼は巨人の5安打零敗にため息が充満した東京ドームだったが、ファンには最高の贈り物となった。(川島 毅洋)

 ▽巨人―阪神OB戦 第1回は76年11月21日に後楽園、同23日に甲子園で行われた。過去には岡山、静岡草薙でも開催。東京ドーム開催は今回が初めて。前回は14年11月16日に「東日本大震災復興支援」としてコボスタ宮城で開催。松井秀喜が4打数4安打し、巨人OBが10―0で快勝した。前々回は12年11月18日に阪神OB会創立40周年を記念して甲子園で開催され、金本知憲が江川卓からラッキーゾーンへ3ランを放ち、阪神OBが10―7で勝利した。

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