広島・新井監督 「悔しかったです」とオーナー報告 逆襲へ、国内FA権を持つ西川慰留が最初の仕事

[ 2023年10月22日 06:00 ]

オーナー報告後に囲み取材に応じる広島・新井監督

 広島・新井貴浩監督(46)が21日、広島市南区の球団事務所で松田元(はじめ)オーナー(72、写真)にシーズン終了を報告。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)で阪神に敗れた悔しさをにじませた。就任2年目の来季に向けては「リーグ優勝、日本一を達成したい」と改めて強調。V奪回に欠かせない戦力として、国内フリーエージェント(FA)権を保有する西川龍馬外野手(28)をさっそく慰留した。

 リーグ覇者の阪神と接戦を演じながら競り負け、まさかの3連敗で終戦を迎えたCSファイナルSから一夜明け。約50分にわたる会談後、報道陣に対応した新井監督は「悔しかったです…というふうに報告させていただきました」と切り出した。

 前夜の終戦後は穏やかに対応しても、胸中は悔恨の情でいっぱいだった。先制しながら追いつかれ、突き放された3試合。その一方で「(差は)少しのところと感じた。少しのところは球際。経験して徐々に強くなっていくものなので、選手の背中をもっと押してあげたい」と語った。

 1年目から手腕を発揮した。過渡期のチームを率いて隙のない野球を実践。5年ぶりのAクラスとなる2位に導き、CSファイナルS進出を果たした。松田オーナーは「言葉の選び方が巧みだし、感情豊かでかつクール。情熱と可能性を持った完成品。手腕はすばらしい」と絶賛する。

 躍進への期待がより膨らむ2年目。今月下旬からの秋季練習、宮崎・日南で実施する11月の秋季キャンプで再び始動する。テーマは若手の底上げ。投手、野手に共通するもので「練習を休んでいては上達しない。たくさん汗をかいてもらう」と強調。来季の目標についても言及した。

 「優勝して日本一になりたい…と本気で思っていたので、凄く悔しい。今季以上に球際に強いチーム、勝負どころで強いチームをつくり、来年はその目標を達成したい」

 そのための行動も起こした。この日、マツダスタジアムを訪れた西川と偶然に対面。さっそく話し合いの場を持ち「自分の気持ちを伝えた」と明かした。国内FA権を保有し、ソフトバンクなどが興味を示していると伝わる巧打者。目標達成には欠かせない戦力だけに慰留した格好だ。

 2位からの逆襲へ、再スタートを切る秋。指揮官は自らの信念に従って突き進む。  (江尾 卓也)

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