「次優勝するときは、絶対あの輪の中心にいたい」優勝翌日、阪神・森木が鳴尾浜で込めた覚悟

[ 2023年9月23日 12:32 ]

阪神・森木
Photo By スポニチ

 歓喜のビールかけの裏側で、次こそは…と闘志を燃やす若虎がいた。18年ぶりのリーグ優勝決定から一夜明けた鳴尾浜球場。2軍本隊が山口・由宇遠征に赴く中、21年ドラフト1位右腕・森木が強く照りつける太陽の下、汗を流していた。

 「(ビールかけの)イメトレをしてました。優勝したときにこうやってやるんだろうな…って。映像も見てましたけど、途中からむなしくなったので見るのをやめました」

 苦笑いしながら優勝当日の選手寮・虎風荘での夜を振り返る姿に、今季の苦悩が見て取れた。高卒新人ながら1軍で2試合に先発したのが昨季。首の張りなどで出遅れた今季は1軍はおろか、2軍でも不振を理由に首脳陣とも相談し、7月上旬から約1カ月半実戦から遠ざかった。「何をやってもうまくいかないじゃないですけど…。自分でも分かっているけど、考え方もすごくマイナスの方に入ってしまっている。今はクソしんどいです」。現在もまだ、理想と現実の狭間でもがき苦しんでいる最中だ。

 ウエスタン51回2/3イニングで39与四死球。「もったいないボール球が多いから、四球が増えて自分で首を絞めている」と、制球面の課題を自認する。向き合う中で“教材”としているのが、ゾーン内で果敢に攻めていく村上や大竹、伊藤将といった1軍先発陣の姿。鳴尾浜では青柳からも「バッターはどんなに打っても3割で、7割はアウト」と幾度も声をかけられ「1番大きいですね。どんな投手でもたまに(狙いから)ズレたりするボールはあるって思うと、どんどんストライク投げて勝負していった方が、出力も抑えめに長いイニングは投げられる。言い方は悪いですけど、多少雑になってもいいんやと」と、新たな気づきを得られたという。

 苦しみ抜いた期間も無駄じゃなかったと心の底から言えるよう、土台作りに励む日々が続く。「次優勝するときは、絶対あの輪の中心にいたいなと思いました。(イメトレを実現できるように?)もちろんです!」。味わった挫折を、飛躍への糧とするのみだ。
 (記者コラム・阪井 日向)

続きを表示

野球の2023年9月23日のニュース