不振でも使ってくれた岡田監督 阪神・梅野が胸に秘める思い激白 先発2番のメッセージも意気に

[ 2023年6月27日 07:00 ]

阪神・梅野隆太郎捕手
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 阪神・梅野隆太郎捕手(32)が26日、本紙に今年第2回目のコラム「梅ちゃん隆儀」を寄せ、逆襲を誓った。開幕から極度の不振にあえいだ中でも、スタメン起用を続けてくれた岡田彰布監督(65)への恩を、結果で返すことを力強く宣言。前半戦の悔しさを糧に、5連敗中と苦しい戦いが続く今こそ、攻守両面で試合の流れを引き寄せる躍動を脳裏に思い描いた。チームは、きょう27日から本拠地・甲子園に中日を迎え撃つ。

 横浜での3連戦は、チームとしても個人としても、とても悔しい結果になりました。次に対戦した時に、この悔しさをぶつけて、やり返すしかないです。

 シーズンも折り返し地点が近づいてきましたが、今はまだゲーム差は気にする時期ではないし、どっしりと構えてプレーすることを意識しています。上位のこの位置にいるのも開幕からの積み重ね。これからも、目の前の1試合を戦って、1勝をつかみにいくことは変わりません。

 監督をはじめ、チームが掲げてきたのは「守り勝つ野球」。そこに関しては、ここまでしっかりと体現できています。例えばチーム全体で“ゲッツーを取ろう”と昨秋キャンプから取り組んできて、しっかりとピンチの場面で併殺を取ってくれています。バッテリーとして、何度も助けてもらいました。そういう意味で内野手の姿は、すごく頼もしく映っています。エラーの数がどうしても注目されますが、数字に表れない好プレーもたくさんありました。マスクをかぶっていて“あ、やられた”と思った打球でも野手の好守や補殺に助けられている場面も本当に多い。数字に表れない部分、プレーというのは、チーム全体で良くなっていると実感しています。これはキャンプで岡田監督の指揮の下、取り組んできた練習の成果でもあります。1点を防ぐ、目の前のアウト1個を着実に奪うという意識は、選手全員に浸透しているのではないかと思います。

 ソフトバンク戦(16日)の6回に代走・周東の二盗を刺して、チームは直後の攻撃で3得点して勝ち越しました。試合後の取材でも「流れを変えた」という質問がありましたが、野球の“流れ”というものを改めて認識しましたし、逆に恐ろしいな、とも感じました。逆の場合もありますし、隙のないプレーをしていかないといけないと。そういう意味では捕手としては、ああいうプレーで流れを持ってこられる試合を増やしていきたいです。そのためには「準備」が大事ですし、当たり前のことを当たり前にできるように。その心がけを、より強くした試合でした。

 今年は開幕からずっと結果が出なくて、凄く苦しかったのが正直な気持ちです。そんな状況にあっても、監督はスタメンで使ってくれました。まさか打てない時に2番で起用されるなんて…。それでも“右方向に打って何かつかんでほしい”という監督のメッセージは受け取りましたし、意気に感じました。口で言われなくても、そういう部分で伝わるものはありました。もちろん、監督への恩返しは結果でしかできません。自分が最後に打てなくて負けた試合もありますし、ここからは打って勝つ試合を増やしていきたい。1勝でも、2勝でも…。チーム全員で目の前の1勝をつかみにいくことは変わりませんが、個人でも借りを返すつもりです。(阪神タイガース捕手)

 ▽梅野、周東の二盗阻止 16日のソフトバンク戦(甲子園)同点の6回表2死一塁。打者・栗原の2球目で代走の周東が二盗を狙ってスタート。すかさず梅野が二塁で構える木浪へのストライク送球で阻止して3アウトチェンジ。阪神はその裏、代打・原口の適時打と佐藤輝の2ランで3点を加えて勝ち越しに成功。4―1で勝利した。

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