ソフトB・和田　歴代勝率3位にランクイン　「ホークスという強いチームで長くやらせてもらってるから」

パ・リーグ   ソフトバンク2―1日本ハム （ 2023年5月24日    エスコンF ）

＜日・ソ＞記念ボードを手にガッツポーズで写真に納まる和田（撮影・高橋　茂夫）
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　偉業を勝利で飾った。ソフトバンクの和田毅投手（42）が、現役4人目、史上93人目となるNPB通算2000投球回を最年長で達成した。24日の日本ハム戦に先発し、5回を1失点に抑え今季4勝目。NPB通算を154勝82敗とし勝率・653で歴代通算勝率3位にランクインした。打線は栗原陵矢外野手（26）が0―1の2回に逆転の5号2ランを放ち3連勝で貯金を今季最多タイの6とした。

　ほっぺたを大きく膨らませて和田は「ふ～っ」と息をはいた。5回2死二塁。アルカンタラを142キロ直球で右飛に斬った。3安打1失点でNPB通算2003イニング目となった5回を投げ終えた。6回からは4人の継投で1点差を守り切り、今季6戦4勝目。この日の2回で“規定”に達し通算154勝82敗。歴代3位の通算勝率・653に躍り出た。

　「ホークスという強いチームで長くやらせてもらってるからこそ。数字は環境のおかげであって僕だけの力ではない。結果も含めて明日からも恥じない投球で示していきたい」

　謙虚と感謝を前面に節目を振り返る。まさに、この日の投球だ。初回ハンソンに先制被弾も、2回に栗原が逆転2ラン。「よーいドン、での失投で打たれたけどクリ（栗原）が返してくれた。これ以上は、と守り切りました」。3回無死一塁では遊撃の名手・今宮が正面ゴロを失策。同一、二塁となったがハンソンを二ゴロ併殺、続く松本剛を遊ゴロ。「ケンタ（今宮）にはいつも助けてもらってる。自分が助ける番」。あとは粘り抜いた。

　42歳3カ月の左腕は記念ボードを掲げる姿に味がある。2回で最年長での2000投球回に到達。「入団してから我慢して使ってもらっているおかげでの今」と話すが、高い通算勝率の裏には元女房役に虚をつかれた“喝”がある。

　早大卒業後に“ドクターK”の異名のもと鳴り物入りで入団すると1年目から先発に定着した。ただ、たまたま不調時に福岡ドーム（現ペイペイドーム）のマウンドで不快な顔を出すとマスクを取って近寄ってきた城島健司・現球団会長付特別アドバイザーに言われた。

　「おまえ、スタンド見てみろ。あのお客さんたちは今日の試合しか見に来られないかもしれない。おまえは、また投げるチャンスがあるからと言って甘えるなよ。どんな状態でもこの日のファンのために投げろ。勝て」。自身の調子ばかり気にしていた和田の根底に響いた。03年からプロ21年目。日米通算200勝には残り41勝だが、目先の重要な勝ちを狙う。

　「それはちょっと遠すぎるので何とか一番は、優勝ですね」。3連勝とし2カード連続のカード勝ち越し。貯金は今季最多タイの「6」とした。和田がきっちりと鷹を乗せた。（井上　満夫）

　○…和田（ソ）が24日日本ハム戦の2回に通算2000投球回を達成した。プロ野球93人目。初登板はダイエー時代の03年4月1日近鉄戦。42歳3カ月での達成は16年黒田博樹（広）の41歳6カ月を抜く最年長記録になった。なお、日米通算では2104回2/3（日2003、米101回2/3）。

　《救援陣好リレー》救援陣が連日の無失点リレーで勝利に貢献した。6回から甲斐野、津森、モイネロが打者3人ずつで片づけ、9回はオスナが締めた。オスナは先頭・ハンソンに四球を許したが、続く松本剛を遊ゴロ併殺に斬るなどして11セーブ目をマーク。藤本監督は「6回以降、みんなよく投げてくれた」とブルペン陣を称えた。前日23日は大津、津森、モイネロ、オスナが完全救援とリリーフ陣がフル稼働している。