中日激震 ロドリゲス亡命報道に立浪監督「いない状況で考えないといけない可能性も」 1週間音信不通

[ 2023年3月30日 06:30 ]

中日・ロドリゲス

 開幕を目前に控え、中日に激震が走った。キューバ代表としてWBCに出場していたジャリエル・ロドリゲス投手(26)が亡命してメジャー球団との契約を模索しているとの現地報道から一夜明け、立浪監督は困惑気味に胸中を語った。

 「昨夜そういうニュースが出て、それから調べて、今日、来日するはずが、着いていない、と。いてくれないと困る人がいない。いない状況で、考えないといけない可能性も出てきた」

 文字通り行方をくらました。予定していた成田経由、中部国際空港着の航空機に乗っておらず、1週間ほど音信不通。加藤宏幸球団代表は「全く連絡が取れない状況」と説明し、キューバ野球連盟も所在確認はできていないという。

 キューバメディア「JIT」は、キューバ野球連盟がロドリゲスに違約金1000万ドル(約13億5000万円)を求める声明を発表したと報じた。中日はキューバ代表として練習試合をした2月のキャンプ地で2年契約のサインをかわしていて、今後の対応は現時点で決まっていない。

 ロドリゲスは昨季最優秀中継ぎ投手に輝き、今季もセットアッパーとして欠かせない戦力だった。立浪監督は勝野や清水らを代役候補とし、先発陣の配置転換も視野に入れ、「もう始まりますから」と覚悟を固めた。守護神のマルティネスに加え、外国人野手4人が開幕ロースター入り。「野手3人が出られることになる。うまく起用していく」。一丸姿勢で難局を乗り切りたい。(湯澤 涼)

 ▽亡命による来日トラブル NPB在籍選手では20年のソフトバンク・コラスの例がある。1月3日にMLBとの契約を目指してキューバからドミニカ共和国へ亡命。既に20年の契約に合意していたソフトバンクは来日拒否を契約違反として2月19日、他球団でのプレーや移籍を制限する「制限選手」の措置を取った。シーズン終了後の12月2日、21年の契約保留選手名簿から外して自由契約。22年1月にホワイトソックスとマイナー契約し、まだメジャーデビューは果たしていない。

 ◇ジャリエル・ロドリゲス 1997年3月10日生まれ、キューバ出身の26歳。キューバ国内リーグ所属の19年に出場したプレミア12での好投をきっかけに中日と育成契約。20年8月に支配下登録。3年目の昨季はリリーフに転向。最速161キロの直球とスライダーを武器に45HP(救援6勝+39H)で最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得。今春はWBCにキューバ代表で出場。1メートル86、97キロ。右投げ右打ち。

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2023年3月30日のニュース